全国青年技能競技大会で入賞した 北川(きたがわ)和弘(かずひろ)さん 杉久保北在勤 28歳
内に秘めた熱い闘志
○…「今までで一番の出来で、自信はあった。でも図面でミスが―」。全国で64万人の大工や左官工などの職人が加盟する全国建設労働組合総連合による「全国青年技能競技大会」に県の代表として参加。自身3回目の全国出場で初入賞を果たした。住宅建設の未来を担う35歳以下の若手職人が参加し、技能を競い合う年に一度の大会。色のついた賞には届かなかったが、上位受賞者の技能の高さを素直に認め、リベンジに静かなる闘志を燃やす。
○…「なんかカッコ良かった」。大工の道を選んだのは中学時代。学校の勉強が好きではなかったため、手に職をつけようと卒業後職人の道に進むことを決意。しかし「高校を卒業して」と両親に説得され進学することに。やがて高校生活も残り半年になり、そろそろ進路を決めなければいけないと焦りが出始めた時、後輩との学校の帰り道で何気なく話した「大工への思い」が思わぬきっかけに。後輩が現在の会社の息子と友人だったことから、縁あって道が開けた。
○…「趣味、特に無いんです」。車通勤ということもあり、酒も外ではほとんど飲まず、仕事が終わるとまっすぐ自宅へ。一昨年、籍を入れたばかりの新婚のため、愛する妻の元へ飛んで帰りたい気持ちはどんな誘惑にも打ち勝つほど。「今は仕事が楽しい。縁あってこの世界に入れたが、飛び込んで良かった。この仕事で何よりうれしいのはお客さんに気に入ってもらえた時ですね」。少ない言葉の中にも誠実さや職人として築いた10年の歴史と自信が垣間見えた。
○…将来は独立して、一国一城の主を目指す。「5年後、10年後、何年かかるか分からないけれどいずれは…」。勉強が嫌いで職人の道を目指したつもりが、高校を卒業しても技能向上のための勉強が待っていた。「日々勉強ですよ。でも楽しいから」。夢に向かって引く図面は、寸分の狂いもなく引かれるに違いない。
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