4月3日(日)に比企谷 妙本寺で震災復興チャリティーコンサートを主宰する音楽家 阿部 真也さん 大町在住 30歳
命あるものが前向きに
○…「空気をパッと変えたい」。震災を受け中止を検討していた比企谷妙本寺での初コンサートを、全額チャリティーにすることで開催を決意した。プロの音楽家11人でクラシックの名曲を奏でる。「メンバーにチャリティーを提案したところ、賛同してくれた。心が一つになった」と語る。
○…震災を知ったのは、現在生活するドイツで。「音楽家としての能力を活かした支援をしたい」と考えた。妙本寺でのコンサートは、昼間の開催で演奏にも電気は使わない。「音楽を楽しんでもらいたい。結果としてチャリティーになれば」。
○…出身は北海道旭川の近く。ピアノを小学1年からはじめヴァイオリンは13歳から。将来は「音楽家になる」と目標は明確だった。高校は国公立の進学校に入学するもいじめに遭う。紆余曲折あったが両親の支えもあり「自主退学」を選んだ。その後、札幌のインターナショナルスクールに入学し寮生活。音楽と英語漬けの日々を送る。そして、音楽の先生の勧めから17歳で渡米。後に大検を取り、サンフランシスコ音楽院へ。「やっと音楽に専念できる環境になった」と振り返る。
○…卒業後も米国で音楽活動を続けたが、友人の紹介もあり05年にドイツ・ドレスデンへ。また米国での縁から07年にパレスチナのエドワードサイード音楽院ベツレヘム校で教鞭をとった。紛争地域のため「みんな大反対」。バス襲撃を経験するなど命の危険に晒された。「命があるんだから、やれる時にやらなきゃ」。そう考えるようになった。
○…鎌倉に住んだのは2年前。妙本寺の早水日秀貫主に誘われたという。早水氏が大田区の池上本門寺にいたころから、コンサートに足を運んでもらうなど親交があった。「本当に縁を感じます」。
○…音楽家として「常に皆さんにとって親しみを感じてもらえる存在でありたい」。そのためにも「自分自身であり続けること」、それがモットーだ。