10月から始動する湘南童謡楽会の代表 宮崎 隆典さん 笛田在住 67歳
音楽も農業も研究から
○…鎌倉と藤沢を中心とした、「湘南童謡楽会」が10月から始動する。会員全員で童謡を歌う定例会を毎月開催する。湘南地域に避難している被災者の無料招待を行う予定で「童謡で癒しを感じてもらえれば」と話す。
○…熊本県出身。早稲田大学進学とともに上京し、文章を書くのが好きなことから読売新聞社に就職。婦人部に配属され、食と農について取材活動をし、記事を書いた。その後、「生涯一記者として現場でペンを持ちたい」とデスクのポストを蹴り、フリーライターに転身。農業関係のコラムを雑誌に寄稿したり、アメリカの農業について書いた「環太平洋米戦争」など著作を出版している。
○…2003年、NHKの永六輔さんの番組「人はなぜ歌うか」に感銘を受けた。「『人は元々、歌うことで気持ちを伝えていた』という話にはっとした」とし、妻と、音楽好きの知人合わせて4人で研究会を結成。これが童謡楽会の原型となる。わらべ歌などを中心に研究を行った。そんな折、地域の童謡のコンサートに足を運ぶ。「昔、母と『早春賦』を歌ったのを思い出し、ぐっとくるものがあった。感動した」とし、「童謡の素晴らしさを広めたい」と決意。5年前から定例会の構想を練りはじめ「コンサートよりももっと気軽に地域の人が童謡に触れ合える機会を」と開催にむけて始動した。「多くの人と一緒に歌って楽しみたい」と意気込みを語る。
○…現在は妻と2人暮らし。「故郷が山の中だったから、海に強い憧れがあった」とし、鎌倉には約30年前に越してきた。七里ガ浜海岸にはよく散歩に出掛ける。「天草とかが採れるので食卓が華やぐ」と話す。また、長年農業の研究と取材を行うなか「自分もやってみないと判らない」と感じ、茨城県で農地を借りた。最近では週末、農作業に出掛けるのが日々の楽しみ。「ミイラ取りがミイラになってしまった」と笑った。