7月16日に50周年を迎える県立フラワーセンター大船植物園の園長を務める 坂本 英介さん 平塚市在住 58歳
雑学で植物も楽しむ
○…県立フラワーセンター大船植物園の園長に就任して1年とちょっと。「まだまだ覚えなきゃならないことがいっぱい」と話すも、毎月2回ずつ実施している自身の案内による「植物園花さんぽ」は、花にまつわる雑学を織り交ぜた独特の内容が評判を呼び、多い時で参加者100人を超える人気企画に。「花を愛でるだけでなく、好奇心をくすぐられる場所にしたくて」とはにかんだ。
○…東京都世田谷区の出身。「昔は今と違って緑や畑も多く、よく農道で虫を捕ったりして遊んでいた」と当時を振り返る。幼いころから虫や植物が好きで、高校時代は生物部に所属。何でも調べてみるのが好きで、「広く浅く手を出したから虫の専門家とは言えないかな」と苦笑い。東京農工大に進学後は昆虫生化学を専攻。「英語がしゃべれたらかっこ良いな」と英語サークルに所属したり、落語が好きで落語研究会に出入りしたりと、好奇心の赴くままに青春を謳歌した。
○…大学卒業後は農業関係の研究職を目指し神奈川県農政部の職員に。「ムシ(虫)とウシ(牛)は読みが似ているから、と最初の配属が牛関係になった時は少しまいった」と話す。その後も異動を経て農作物などの研究を行い、昨年5月までは農業技術センター北相地区事務所の所長を務め、茶葉に関わる業務を行っていた。同園配属後、担当となった「花さんぽ」では、「園芸技術は他の職員に敵わないから」と花にまつわる雑学を披露。「落語の芝浜では雪の音と笹の葉音を間違えるのだけど、現代は笹の音ってなかなか聞こえない。昔は本当に静かだったことが分かりますよね」と目を輝かせた。
○…30歳で結婚し、平塚へ。息子は独立し、現在は娘と3人暮らし。休日は妻と植物園など自然散策に行くのを楽しみにしている。「先日も一緒に蛍狩りに出かけたのだけど、蛙の鳴き声が予想外に大きくてびっくりした」と笑った。