第24代「鎌倉建築組合」組合長に就任した 高野 孔二さん 常盤在住 62歳
軸のぶれない確かな仕事
○…1月22日付けで、第24代「鎌倉建築組合」組合長に就任した。鎌倉・腰越・深沢周辺のいわゆる「旧鎌倉市内」の建築業従事者による組合として1935年に第1期が立ち上がり、今期で35期を数える。現在、56事業所から構成されている。主な事業として、組合独自の労働保険や建設業国民健康保険の取り扱い、講習会などを通じての若手育成、業者間の交流などを行っている。東日本大震災直後の4月には宮城県石巻市へ赴くなど、ボランティア活動にも力を注いでいる。
○…毎年1月4日に鶴岡八幡宮で行われる建築業の仕事始めの儀式「手斧始式(ちょうなはじめしき)」や、10月の技能祭参加など、「継続事業をしっかりと行う」と抱負を語る。さらに、組合を絶やさないために後継育成を課題とし、積極的に「2代目」の若手・中堅を今期の役員に据えた。世界遺産登録を見据えて、「町並みを作るのは住宅から。鎌倉らしい住宅を作っていかないと」と地場の建築業者の心がまえを示した。
○…15歳の時、生まれ育った静岡県掛川市を離れ、大船で工務店を営む祖父の下へ。祖父の死後、親戚の工務店へ移り1976年に独立。市内津に事務所を構え、同組合にはその数年後に入った。以後、市内常盤に移り現在まで約20年。3人の息子は建築系の学校を卒業し、2人は自身の会社で、もう1人も大手建設会社に従事。「1人くらい別のことをやれと言ったんだけどね」とはにかむ。現在は妻と愛犬と暮らす。
○…余暇はゴルフ。主に千葉へ行くことが多いという。気になるスコアは、「だいたい90台くらいかな。100は打たないよ」とにんまり。「正直に、急がず確実な仕事をすること」「どんなに小さな仕事でも親切に丁寧に」という信念を持って自身の職務と向き合ってきた。「受注は紹介が多い」というのも、堅実な仕事をしてきた結果だろう。この先も、次世代を担う若手大工たちへ「確かな仕事」を伝えていく。