鎌倉ローターアクトクラブの会長を務める 鴨野 基さん 横浜市在住 27歳
お寺から地域と人つなぐ
◯…光明寺(材木座)に3月30日、一日限りの市が立つ。第1回「鎌倉座門前」と題したイベントを主催するのが、18〜30歳の青年による奉仕団体「鎌倉ローターアクトクラブ」。その会長として、準備に追われる日々を送る。当日は飲食や物品の出店のほか、団体による活動紹介などのブースが立ち並ぶ。「イメージしているのは、中世のお寺を中心に形成された『寺内町』の現代版。薄れてしまった地域とお寺のつながりを復活させて、お寺から発信するまちづくりを考えたい」と狙いを語る。
◯…出身は横浜市。早稲田大学2年生の時、学生や市民ボランティアの手で地域一体となった教育プログラムを進める「鎌倉てらこや」に参加した。「もともと文化祭や体育祭では常に先頭で盛り上げるタイプ。どんな企画がいいのか、誰にやってもらうかなど、仲間たちと話し合う時間はとにかく充実し楽しかった」と振り返る。プロジェクトを進める過程では企業経営者や芸術家など、様々な大人たちの協力があった。「ここで出会った人たちに恩返しがしたい」と5年前、ローターアクトクラブに入会。昨年から会長を務める。
◯…普段はショッピングセンターや空港など大型施設の内装デザインや施工を行う都内の会社で営業マンとして働く。最近ではローターアクトクラブの「アジア大会」を日本に誘致する活動にも携わり、寝る間もないような忙しさが続くが「何より自分が一番楽しんでやっていますから、全然辛くない」と屈託のない笑顔を浮かべる。
◯…今後はボランティアや奉仕という言葉に捉われない活動を目指す、という。「コミュニティデザインという考え方が最近注目されていますが、今回取り上げたお寺はもちろん、神社、企業、人、市民団体など全てが地域の資産。それらを結び付けて新しい何かを生み出したい」。若い感性と情熱で描く、新しい鎌倉像にこれからも注目だ。