設立10周年を迎えたNPO法人「鎌倉てらこや」の事務局長 吉田大裕(だいゆう)さん 武蔵野大学4年 22歳
「てらこや魂」次代へ
○…大人・若者・子どもが共に育つ地域づくりを目指す「鎌倉てらこや」の事務局長に就いて9カ月。10周年行事などが一段落し「やっと落ち着いてきた」と笑う。学生スタッフの時とは違う視点も求められる立場に苦闘の日々というが「『てらこや』も10年で全国にネットワークが広がった。文化を次代へつないでいけるよう、考えて動いていくことが今の自分のテーマ」と意気込みを語る。
○…広島県の宮島出身。てらこやとは不思議な縁でつながった。実家の大本山大聖院(真言宗)で合宿を行っていた「宮島てらこや」と出会ったのは高校3年の時。「軽い気持ちで」覗いてみると、楽しそうに遊ぶ子どもや奮闘する学生の姿が深く印象に刻まれた。翌年、武蔵野大学に進学した後も夏の帰省時に宮島てらこやに参加。それがきっかけとなり、鎌倉てらこや2010年冬の「光明寺合宿」でスタッフに。翌年から本格的にメンバーに加わった。「こんなにのめり込むとは驚き。てらこやがなければ今の自分はないですね」
○…活動の魅力を「学生たちの本気がある」と表現。建長寺合宿や光明寺合宿など、毎年恒例と言えるイベントであっても毎回テーマを練り直し学生たちが膝を突き合わせて1カ月以上議論を戦わせる。「前年を超えるものをという意識が半端じゃない。失敗を恐れずに挑戦できるのは見守ってくれる大人がいるから」と感謝の気持ちも忘れない。趣味はスポーツ観戦。「もちろんカープとサンフレッチェのファンです」。てらこやで取り組む学童訪問でも野球やサッカーで小学生たちと一緒に駆け回る。
○…今後は、卒論のテーマにもしている「NPOの経営」についてより学びたいと話す。「子ども目線を忘れずに、自分たちも楽しんでいけば遊び・感動・自立という『てらこやスピリッツ』実現に近づけるはず。自分の成長が他人に良い影響を与え、地域への恩返しにもなれば」と前を向いた。