小袋谷に事務局を置くNGO「ラブグリーンジャパン」の理事長を務める 相川 政夫さん ネパール在住 66歳
「現場主義」でネパール支援
○…ネパールの農村を支援するNGOラブグリーンジャパンの理事長を務め、昨年5月から現地に駐在している。4月25日の大地震発生時は、学校での式典に参加中で「揺れの大きさから、これは大変なことになると直感した」。これまで培ったコネクションをフルに活かし、村人たちのニーズを把握。「畑や田んぼに被害が少なく、食料の心配はなかった。それよりも家屋が崩壊し雨季が迫るなか、早急にテントが必要とわかった」。現地スタッフとともに手配を進め、これまで約1300張りのテントを直接村人に届けた。
○…同団体の設立は1991年。当初は植林が主な活動だったが、その後農村の「生計向上」に主眼を置き、燃料確保のため木を伐採しなくてすむようバイオガス装置を設置したほか、有機農業の支援や学校の建設も行う。こうした活動が評価され、2010年からJICA草の根技術協力事業で4つの村を対象に開発プロジェクトを行っている。
○…静岡県出身。薬科大学進学を機に上京し、卒業後は製薬会社に就職した。しかし「何をしたか思い出せないような単調な日々」を過ごす中で、学生時代にアメリカ大陸を旅した思い出がよみがえった。2年で退職し、アジア、中東、アフリカ、ヨーロッパを2年半かけて巡った。「今考えると場当たり的だね」と笑いながら振り返るが、「やりたいことは何か」を常に自問自答していた。鍼灸師の資格を取得後、1986年に大船に治療院を構えた。結婚を経て子どもができた後も旅への思いは衰えず、家族4人で南米を回ったことが雑誌に取り上げられたこともある。
○…42歳の時、知人から森林減少にあえぐネパールの窮状を聞き、「腰を据えて活動しよう」と決意。同団体を設立した。現在は一時帰国中で、6月30日には再び現地に戻る予定だ。「今行っているのはあくまで緊急支援。これからが頑張り所です」と先を見据える。