60周年を迎えた(一社)いけばなインターナショナル鎌倉支部の支部長 矢萩 美貴子さん 横浜市在住 53歳
花がつなぐ国際交流の輪
○…60周年を迎えた(一社)いけばなインターナショナル鎌倉支部の支部長を務める。記念行事は、コロナ禍で中止となったが、その費用を活用し、市内の医療従事者に感謝と労いの気持ちを込め、メッセージ付きの菓子を5月20日に贈った。「何が必要か病院に相談し、『心がほっとするもの』に。最前線で働く方の癒しになれば」
○…「花を通じての友好」をモットーに世界44の国に143の支部があり、高円宮妃久子さまが名誉総裁を務める同法人。旧華頂宮邸を活動拠点に始まった鎌倉支部には90人以上が所属する。米軍基地の将校夫人らも多く、英語での交流が中心。さまざまな流派の家元の技が見られるほか、狂言や餅つきなど、日本文化を感じられる企画も目白押しで、国内の支部でも特に盛んな国際交流を目当てに入会する人も少なくない。
○…6年前、自身が入会したきっかけも知人の将校夫人からの誘いがあったからだった。「生け花は未経験ではなかったけれど、本腰を入れてというわけではなかったので、当初は敷居を高く感じて」。改めて生け花と向き合い、気付いたのは「最低限のもので最大限の表現をする、洗練された美しさ」だった。世界大会では海外の会員との交流や作品鑑賞、鎌倉の寺社での一般には非公開である場所の見学など、特別な体験にも充実を感じた。
○…昨年支部長に選出された時は、節目を任されるプレッシャーがとても大きかったという。コロナ禍という特殊な状況下だが、歴史を先につなぐために、新たなことができないかと模索する。「お花ってあるだけで気分が良くなりますよね。作品を飾る機会を設けられたら、多くの人に安らぎを感じてもらえるはず」とほほ笑んだ。