『材木座郷土誌』の編集長を務めた 齋藤 彰さん 材木座在住 77歳
住民による住民のための1冊
○…材木座公会堂100周年を記念し、発行された郷土誌の編集長を務めた。「ここで生まれ育った僕でも知らなかったことがたくさんあった」と振り返る。ベースとなった住民有志による郷土誌2冊の制作にも携わり、膨大な量の原稿を1人で入力した。「パソコンは得意というわけではなかったけれど、やりがいがあった。今思えばよくやったなと思う」と笑う。
○…再編にあたり、タッグを組んだ地元出版社の本多順子さんとは、以前から家族ぐるみの付き合い。「連合会が本多さんに依頼したのは偶然だったけど、まさに住民による住民のための郷土誌になったと思う。2010年に郷土誌を作成する際に発起人となり、活動資金を寄付してくださった当時の蔵並豊年連合会長や、一番の功労者である小松原利一先生など、今は亡き先人にも感謝したい」
○…「好きな歴史を仕事に生かしたい」と教員の道へ。市内の小学校で教鞭をとり、校長としても3校を見守った。退職後は県立総合教育センターでの教諭指導や県退職公務員連盟の会長を務めるほか、民生委員として定年まで12年間尽力した。地元の魅力は「やっぱり海岸」。先日も妻と共に孫たちを連れて夏の海を満喫したばかりだ。
○…リビングの壁には大きな柴犬の絵が飾られている。10年以上前に18歳で亡くなった愛犬「クー太」だ。晩年、視力を失い、身体も不自由になったクー太を家族が一丸となって愛情たっぷりに「介護」する様子はNHKの番組にも取り上げられた。「とても賢くて、家族の布団を新調した時にクー太の分を用意しなかったら拗ねたことがあった。介護は大変だったけれど、当然のことだと思った」。家族へ、地域へ向けられる眼差しは常に優しく温かい。