鎌倉インターナショナルFC代表を務める 四方(よも) 健太郎さん シンガポール在住 38歳
鎌倉からJ、そして世界へ
〇…Jリーグ参入とともに「世界に通じる人材の育成」を掲げて発足したサッカークラブ「鎌倉インターナショナルFC」の代表を務める。「海外にもファンが多い鎌倉だからこそ、世界を意識したクラブが必要だと思った」と構想からわずか1年ほどで立ち上げた。
○…横浜市出身。本格的な競技経験はないが、サッカーとの出合いは鮮烈だった。日本代表が初出場した1998年のフランスW杯を現地で観戦。「あらゆる人種の人がいて様々な言語が飛び交っていた。世界の多様性を目の当たりにするとともに、それを一つに結び付けてしまうサッカーの魅力にひかれた」。その後もW杯のたびに現地で観戦し、2010年の南アフリカ大会前には、友人とともに出場を決めた32カ国を巡る世界一周旅行へと出発。各地での交流の様子をブログにつづったところ大きな反響を呼び、『世界一蹴の旅』として出版された。
○…外資系企業のコンサルタントなどを経て14年からシンガポールに住み、現在は学生向け研修プログラムの作成など、人材育成を目的とした会社を経営する。世界を舞台に多様な人と向き合ってきたからこそ「最近日本が内向きになっていることが気になっていた」。その思いが、インテルFC設立へと駆り立てる原動力となった。
〇…現在は月1回の帰国のたびに鎌倉通いを続ける。「自分にとって最も不健康なのは、やりたいと思うことをやらないこと。大変と思ったことはない」と笑う。「eスポーツの選手を育成して日本代表を出したい」「VRやロボット技術を活用して月面など宇宙を舞台にサッカーができないか」など、アイデアは既存のクラブの枠に収まらない。その熱は多くの人に伝染し、いま確かなムーブメントとなりつつある。