2012年11月、「日本国中に散歩道(遊歩道)をはりめぐらせたい」と発足した『特別非営利活動法人日本遊歩道協会』。代表を務めるのは瀬谷区中央で内科クリニックを開業する稲葉允氏。発足1年にあたり、協会発足までの道のりや想いについて話を聞いた。
――協会の発足についてお聞かせください。
「10数年前になりますが、英国のThe National Trust(以下NT)に興味を持ち訪ね歩いた二組の夫妻、露木重久・孝子(二ツ橋)と稲葉允・良子(相沢)が会食した時、NTから遊歩道(Public Foot Path・以下FP)に話が及びました。FPとは、人しか通れない遊歩道のこと。車も自転車も乗り入れ禁止で街の周り、森や林や牧場、時には民家の庭を通って二百〜四百マイルも続く道もあります。子どもや老人は毎日、数キロを、若者はテントを持ってキャンプしながら旅をする道です。新鮮なオゾンをたっぷり吸い、会話を楽しみながら、あるいは、ドイツ・ハイデンベルクの『哲学の道』のように一人静かに瞑想しながら歩む道。車や排気ガスに脅かされず、心安らかに身心的・肉体的健康を自然の恩恵を受けながら、あるいは母なる国への愛を育み思索しながら、時には樫の古木の下にまどろみ、村営・町営の喫茶店で雨宿りしつつハイティーを楽しみ、あるいはB&B(ベッド&ブレックファスト…民営の気軽な宿)で体を休めながら歩む道です。『こんな道を日本にも』…何時か誰かが作ってくれる(NTもPFも行政に頼らぬ、市民の市民による市民のための団体)だろうと…」
――その時の想いが協会発足へつながった訳ですね。
「でも、『いいね』『欲しいね』『頑張って』で10年…。やっと昨年、同志を集って『日本国中に遊歩道を作る会』を立ち上げることができました」
――今後の展望は。
「いつか日本国中、全ての街、全ての山から川に沿って海へ遊歩道を造りたいと思っています。ある町ではリンゴやミカン、桜並木や、ボタン、芝桜、アジサイの咲き誇る道を造りたい。この夢が実るのは百年先でしょう。私たちは種をまきました。私たちは老いて次は貴方がたが主役。貴方がたのDNAを受け継ぐ、子・孫・曾孫たちのために、日本中に遊歩道をはりめぐらせて欲しい」
◇◇◇
壮大な目的をもって発足した同会。稲葉代表の話のとおり、夢の実現にはかなりの時間がかかることだろう。未来の子どもたちのために始動した同会の今後の活動に期待がかかる。
同会についての問い合わせは、〒246-0014 横浜市瀬谷区中央19の5 稲葉内科クリニック内「日本遊歩道協会」まで。
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