2016年最終号は、紙面から1年を振り返る。今年は来年2017年の区制90周年に向け、いよいよ実行委員会が発足。創立100周年の鶴見歯科医師会など、節目を迎えた団体も多かった。数十年ぶりの伝統行事の復活や、生見尾発見塾などの地域ならではの区民独自企画なども開催された。区内出身の白井健三選手を始め、スポーツの国際舞台でも区民が大活躍し、鶴見を盛り上げた。
実行委員が発足
鶴見区は1927年10月に横浜市の区制施行に伴い誕生。2017年に90周年を迎える。6月設立した鶴見区制90周年記念事業実行委員会には、鶴見区自治連合会や商店街連合会、工業会、法人会、団体、企業、大学など代表者40人が参加。8月に区民からの公募で決定した「ワクワクつるみ!」をキャッチフレーズに、今後様々な記念企画が開催される予定だ。
企業・団体が節目
区制90周年を前に、多くの企業や団体などが今年節目を迎えた。鶴見歯科医師会は、創立100周年を記念し、9月、記念式典・祝賀会を開催。同会は、1世紀にわたり地域への奉仕活動を継続。今後も多職種と連携し貢献していく考えを示した。キリンビール横浜工場は、生麦移転から90周年となった。周年を記念し、工場見学施設は10月に大幅リニューアル。改装に合わせ、みなとみらい方面から工場へアクセスできる水上ルートも確保された。
区内学校の中では、下野谷小学校が90周年、白鵬女子高校が80周年、馬場小学校、横浜商科大学が50周年となった。団体では、鶴見安全運転管理者会が50周年、鶴見たけのこ学童クラブが40周年、鶴見区文化協会は30周年を迎えた。
新企画立ち上げ
一旦は途絶えた行事の復活も多かった。5月には鶴見駅西口広場で「オープンカフェ」が3年ぶりに再開。9月には、15年ぶりに寺尾商和会の「夜店大会」が、また獅子ヶ谷下神明社の祭礼は60年ぶりに復活した。
新たな企画も次々と誕生。2月、生麦の歴史や文化の調査研究のため、地元住民らから成る「生麦の道100年紀委員会」が、「生見尾発見塾」を開校。4月からは、鶴見区民文化センターのアーティスト派遣事業「サルビア・アーティストバンク」が始まった。3月には、馬場在住の原誠一さんが地域発の文化芸能を復活させようと、地域で歌謡ショーなどを企画するプロジェクトを発足。11月には、鶴見の沖縄人が中心となり企画した「鶴見ウチナー祭」が初めて開かれ、約5万人が訪れる盛り上がりを見せた。
広がる子ども食堂
近年全国で取組が広がっている子ども食堂。今年は鶴見でも3つの食堂がオープン。1月開店したのは、デイサービスを展開する(株)リカバリータイムズ=駒岡。4月からは駒岡地区センターでも開店したほか、鶴見中央の「北海道ラーメン赤レンガ」でも、無料で食事を提供している。
事故・救急出場が急増
人身交通事故や救急出場の急増が目立った1年にもなった。鶴見警察署管内では、2月には、人身交通事故の前年比増加率がワーストとなった。同署は緊急対策として高齢者へ反射材を付けてもらうなどのキャンペーンを実施した。
救急出場も「過去に類のない伸び」を記録。昨年比増加件数は10月時点で市内最多。鶴見消防署では、容態が悪化するまで病院にいかない人が多いことが背景にあるとし、健康づくりのPRなどを通し、重症化を防ぎたいとしている。
市場小 分校体制へ
急増する児童への対応策として、昨年末に「第二方面校」の設置が発表された市場小学校。今年は、第二方面校の位置づけを、市場小分校とするか、同校と切り離した新校とするか、開校準備部会で議論された。その結果、地域のまとまりを維持しやすいなどのメリットのある、分校体制をとる意向を、7月の部会で決めた。今後意見書を提出し、議会の議決を経て、分校体制が正式に決定する。
進む駅前整備
新施設の完成や、新たな商業施設のオープン決定など、町の整備も前進した。
2012年から続いていたJR鶴見駅東口駅前広場の再整備事業は、4月に鶴見駅前交番の新設をもって完了した。6月には、JR鶴見駅京浜東北線のホームドア設置工事が開始。来夏には、京急鶴見駅高架下に新商業施設「ウィングキッチン京急鶴見」が開業する予定だ。
地域の拠点充実へ
住民の交流拠点も充実。乗艇利用が停止されていた鶴見川漕艇場は、改修を終え4月に利用を再開。矢向の日枝神社は170年ぶりに大改修を終え、5月に竣工式が開かれた。6月には、地元住民主体で計画された、矢向・江ヶ崎の歴史資料室及び交流室「史季の郷」が開館した。また、「めがね橋」の愛称で地域の拠り所として70年以上愛されてきた響橋は10月、「土木学会選奨土木遺産」に認定された。馬場花木園は、来年度に拡張整備予定で、歴史的建造物の古民家の補修などが今後進められる。
国際舞台で活躍
スポーツでは、鶴見にゆかりある人々が世界の舞台で大活躍。区内出身の白井健三選手は、8月のリオデジャネイロ五輪で体操日本代表として、男子団体で金、種目別「跳馬」で銅メダルを獲得。区庁舎正面玄関には、白井選手の活躍を称える横断幕が飾られた。
駒岡在住の古川芳子さんは、76歳にして、世界ベンチプレス大会3連覇という偉業を達成。また、馬場在住の千葉記位さんはマスターズ柔道大会で3階級制覇を成し遂げた。
今年は区内からプロ野球選手も誕生。末吉中学校出身の田中正義投手が、過去最多の5球団からドラフト1位指名を受け、福岡ソフトバンクホークスへの入団が決定。今後のプレーに地元の期待が集まっている。
将来大舞台で活躍が期待されるつるみっ子たちも躍動。市立東高、法政大学女子高、橘学苑高は、今年もチアダンスの全国大会へ出場。東台小の飯塚康太くんは、レスリング全国選手権で優勝した。寺尾中学校陸上部の今村輝子さん、金子佑太朗くん、新上健太くんは、全国初出場。潮田中学校女子剣道部は2年ぶり4回目の全国出場を果たした。市場中学校3年の畑秀明くんは、ボウリングで国体初優勝を飾った。
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