市場中学校で11月9日、学校昼食弁当の試食会が保護者向けに行われた。同校は10月28日から同日まで試行期間として弁当販売を実施。現在区内9校中8校で販売されており、実現すれば中学校全てで昼食が販売される。だが同校では人員不足等の課題も残されており、保護者からは給食への要望も根強い。
横浜市では食育の観点から、給食ではなく弁当持参を原則としている。しかし、仕事や家庭の事情などで弁当を持参できない生徒もいるため、対策として1999年から昼食販売を導入。希望者が学校で注文できる仕組みとなっている。横浜市教育委員会は来年3月までに、市立中学校全147校で弁当などを購入できる体制の完備を目ざしている。
弁当は好評
鶴見区では市場中以外の中学校で昼食販売を実施している。市場中は実現に向けて委託業者を選定し、10月28日から11月9日まで、昼食販売の試行期間を設けた。試食会は最終日の授業参観で開催。会には保護者ら107人が参加し、子どもが食べる弁当はどんなものかを味わった。
市場中の弁当は希望者が朝に注文し、400円で販売。「コンビニで朝買っていくよりは安い上、温かい物が食べられる」「ボリュームがある」と、試食した保護者から好評だった一方、「年頃の女の子には多いかも」という声もあった。
課題は人員不足
同校がこれまで昼食販売を導入できなかったのは、注文受付から弁当回収までを担当する人員を確保できていないためだ。現在はPTA役員などの保護者がボランティアで手伝っているものの、藤至光副校長は「ボランティアは現在4人のみ。実現させるには人手が足りない」と現状を嘆く。12月までの導入を目ざしているが、めどは立っていない。
給食望む声も
一方で、毎朝の弁当作りの負担軽減を理由に、学校給食を望む声も多い。試食会に参加した保護者は「給食を求め何度も署名した。やはりみんなで同じものを食べるのが安心」と話す。
ところが、膨大な予算が必要となる給食は、実現が困難。市教委は「現段階での導入は検討していない」としている。
区内他校で実施中の昼食販売はおおむね順調という。しかし、学校現場からは「学校任せではなく、市が業者に委託してくれると助かる」との本音も漏れた。
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