区内唯一の女性連合会長として、地域課題に取り組む 杉浦 節子さん 東寺尾在住 76歳
受けた優しさ 原動力に
○…高齢化が進む池谷戸で、居場所を作るべくはじめてサロンを企画する。「行くところがある、話す人がいるということが認知症予防につながる」。生麦第二地区連合会の会長を務め、女性の連合会長は区内唯一だが「特に女性だからという感情は無い。自然体で参加させてもらっている」と動じない。区内在勤の外国人に日本語を教えるボランティア「こんにちは国際交流の会」の会長を務めるなど、活動は多岐にわたる。
○…終戦間際に東寺尾へ越してきた。「様子がおかしいと思って防空壕に入ったら、数秒後に家の前が爆撃された。爆風を今でも覚えている」。6歳の戦争体験が時折脳裏をよぎるという。すぐさま越してしまったが、結婚を機に50年前、再び東寺尾へ。「両親のことを覚えてくれていた」と地域の温かさにふれた。最愛の夫を15年前に亡くした時も、「みんな深くは聞かないで温かく迎えてくれた」。地域の優しさが支えになり、自治会の重職を担うようになっていった。
○…日本画が趣味で、かれこれ30年続けている。鎌倉美術家協会に所属し、毎年作品を出展。「下絵が大事。ちょこちょこやってくのが性格に合ってるのかも」とにっこり。最近描くのはもっぱら孫の人物画。「敬老の日に電話をくれた」。孫の気遣いに顔をほころばせる。毎年8月にはボランティア仲間と海外旅行へ。東南アジアが大好きで、「その国の人がどういう暮らしをしているのか興味がある」と好奇心は尽きない。
○…人身事故により閉鎖が決まった生見尾踏切の問題など、「安心・安全のまち」へ生麦第二地区が抱える課題は多い。「言うべきことは言わないと。円満に進められたら」。よりよいまちを次世代へと引き継ぐべく、リーダーシップを取る。国道1号線の岸谷交差点では、長年の要望だった横断歩道が完成した。「できることを一つひとつやっていきたい」。しなやかに地域を引っ張っていく。
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