神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
鶴見区版 公開:2021年7月22日 エリアトップへ

内水ハザードマップ 改定で浸水想定約5倍に 下水道の排水に限界も

社会

公開:2021年7月22日

  • LINE
  • hatena
ハザードマップの一例。地図上の色付けされている部分が浸水想定区域
ハザードマップの一例。地図上の色付けされている部分が浸水想定区域

 局地的な大雨が増える中、下水処理が追い付かず水路等から水が溢れる内水(ないすい)氾濫に備えようと、横浜市はこのほど「内水ハザードマップ」を約7年ぶりに改定した。想定降雨量の増加で市全体の浸水想定面積は約5倍に増加。専門家は改定を評価しつつ、「リスクを把握し日頃から備えを」と警鐘を鳴らす。

 マップは大雨時にマンホールなどの水路から浸水が想定される区域や深さ等の情報をまとめたもの。道路冠水や床下浸水相当など、地盤の高さや地形等によって危険度は変わるが、浸水区域は市内全域に分布している。

 従来のマップは2004年に観測された時間降雨量76・5mmを対象に作成していたが、19年に市内観測史上最大の100mmが記録されるなど状況の変化もあり改定に至った。改定版では過去に関東地方で観測された153mmを最大規模の降雨と想定して作成。

 都市の浸水対策に詳しい東京大学大学院工学系研究科の古米弘明教授は「最大規模の豪雨を想定して改定したことは住民に正しく水害リスクを確認してもらい、避難を促す上で大切」と評価する。

 今回の改定で市全体の浸水想定面積は従来の約5倍に増加。市の担当者は「海や河川と離れていても浸水の恐れがある。マップで自宅周辺のリスクを把握し、備えてもらえたら」と話す。マップは市HP等で公開しているほか、印刷物を今年度は神奈川区と金沢区、残り16区は来年度に全戸配布する。

整備水準引き上げ困難

 市内の下水道は国の答申に基づき、地盤の低い区域は時間降雨量約60mm、高い区域で約50mmに対応できるよう整備を進めているが、今後起こりうる大雨に排水能力が追い付かない可能性がある。

 市は予算や用地の問題から整備水準を今すぐ上げることは難しいと説明し、排水ポンプ車導入などソフト対策を進めている。古米教授は「都市の下水道は地中にあるので内水氾濫のリスクが見えづらい。そして、その排水能力にも限界があるので、自分たちでできる対策を考えて、日ごろから備えておくことが大切だ」と呼びかけている。
 

鶴見区版のトップニュース最新6

防災冊子を8年ぶり改訂

江ヶ崎町

防災冊子を8年ぶり改訂

ペット防災など新項目も

5月2日

DX対応でサイト新設

地域子育て支援拠点

DX対応でサイト新設

6月開始のアプリと連携も

5月2日

国土強靭化の先導事例に

市場西中町防災対策

国土強靭化の先導事例に

住民主体の取組みを評価

4月25日

謝金、倍額に引き上げ

特別支援教育支援員

謝金、倍額に引き上げ

ニーズ発掘し、人員確保へ

4月25日

初挑戦で金賞受賞

佃野町「楽匠」

初挑戦で金賞受賞

「からあげグランプリ」で

4月18日

障害者診療「限界近い」

横浜市歯科保健医療センター

障害者診療「限界近い」

二次機関拡充求める声も

4月18日

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 7月14日0:00更新

  • 7月7日0:00更新

  • 4月7日0:00更新

鶴見区版のあっとほーむデスク一覧へ

イベント一覧へ

戦後の横浜 写真資料でたどるサイト

戦後の横浜 写真資料でたどるサイト

4月27日から都市発展記念館が公開

4月27日~5月31日

鶴見区版のイベント一覧へ

コラム一覧へ

鶴見区版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2024年5月3日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook