2011年3月末に閉校し、利活用が検討されていた市立鶴見工業高校の跡地について、横浜市は現在、跡地の一部に横浜市医師会看護専門学校を移転再整備する方向で調整を進めていることがわかった。1月29日、3年ぶりの「検討会」で市当局から初めて示されたもので、住民は「突然で驚いている」と戸惑う。
JR鶴見線「鶴見小野町駅」そばの鶴工跡地は、道路を挟み東側0・8ha、西側1・5haの土地。東側は特別養護老人ホーム(100床程度)が建設予定で、現在整備が進んでいる。
今回明らかになった看護学校は、西側に整備を予定しており、現存する体育館を有効活用し、校舎を新築する方向だ。市内保土ヶ谷区と港北区にある同専門学校の老朽化にともない、統合した上で移転再整備を検討しているという。
市は来年度予算に、看護専門学校の移転再整備のための設計費補助として、5200万円を計上している。
住民加え検討会
鶴工跡地の利活用については、閉校決定後すぐの08年から、市や区の担当者と、周辺自治会・町内会、商店街関係者などからなる「鶴見小野町駅周辺地区まちづくり検討会」の中で話し合いが進められてきた。
その中でアンケートなどを実施し、住民の意見を収集。特養ホームは、その際に出た意見が採用された形だが、看護学校は要望されたものではないという。
「突然」と戸惑いも
「ずっと放っておいて怠慢ではないか」。1月29日、8回目となった検討会で、出席した住民からはそんな声も漏れたという。「前回が2011年の3月で、検討会は約3年ぶり。看護学校の話は初めて聞いた」と出席者の一人は話す。
市が地域の要望を踏まえ、10年に打ち出した駅周辺土地利用基本構想案によると、当初は「防災性」「駅前拠点」「福祉施設」といったゾーンに分け、段階的に整備する方針だった。このうち「防災」と「駅前」では、UR都市機構と連携して再開発するとしていた。
だが、市は29日の検討会で、「事業手法検討の結果、周辺を含めた再開発事業は成立困難と結論づけた」と説明。12年度の段階でURとの連携を終了し、看護学校は、関係局内で新たに検討して出た案だという。
出席者の一人は「途中報告もほとんどなかった。人が増えて賑わうのはいいが、通学時の安全面など新たな課題も出る。住民意見も反映してもらえれば」と話している。
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