今年4月に開館した市内初のよこはま多世代・地域交流型住宅「ココファン横浜鶴見」=鶴見中央3の19の11=に置かれている交流スペースの利用登録団体が、8月21日現在で15団体と伸び悩んでいる。同施設は個別訪問などで告知を行っているが、なかなか成果に結びつかず苦心している。
サービス付き高齢者向け住宅と子育て世帯向けの住まい、地域との交流スペースが併設されているよこはま多世代・地域交流型住宅は、高齢社会での世代間交流を実現すべく市が推進しているもの。高齢者に子育て世帯や地域とのつながりを持ってもらうことで孤立化を防ぐとともに、地域の交流拠点としての機能を期待され、市内ではじめて建設された。公募により選ばれた(株)学研ココファンら4社が整備・運営している。
同施設に置かれた交流スペースは、総面積約304平方メートル。収容人数10人から30人までの大小会議室4室に区切られており、仕切りを取り払うと最大百人が収容可能。会議や文化活動などで利用でき、世代間や地域で交流を深めようと活動する団体に有料で貸し出されている。
ところが開館から4カ月以上経過した現在、利用登録団体は15と、同社が立てた当初の予想の約半数にとどまっている。周知に課題があるとし、個別訪問などで告知を行っているが、なかなか成果に結びつかないという。
共同リビングを無料開放
一方で近隣保育園と居住高齢者の交流企画は4回実施されており、世代間交流は軌道に乗ってきているという。同施設の山本直茂所長は「工作など形に残るものを企画することで入居者の楽しみとなっている」と成果を実感している。
より充実した交流拠点となるべく、同施設は課題となっている交流スペース認知度向上のため、8月3日から隣接している施設内の共同リビングの無料開放を開始した。これまで共同リビングは、読書や歓談のできる憩いの場として、居住者や一般用に有料で貸し出されていた。
山本所長は「使ってもらえるのが一番うれしい。交流拠点として活用して」と居住者だけでなく一般の利用も呼びかけている。
厳しい声も
かつて交流地点だった鶴見会館の跡地に建設されたとあって、地元からは厳しい声も上がっている。ある自治会の関係者は「担当が地元の集会にほとんど顔を出していない」と話し、より地域と関係性を築くよう求めている。
9月には交流スペースの運営協議会による集会も開催予定。同会代表を務め、地元自治会である鶴見東町会会長の早野幹夫さんは「町会加入などを勧めたい」と思案している。
多世代交流のモデルケースなだけに、同施設への期待は大きい。横浜市健康福祉局の担当者は「オープンしてまだ半年しか経っていないので、様子を見ている段階」と話した上で、引き続きよこはま多世代・地域交流型住宅普及へ調整を進めていくという。
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