東宝タクシー(株)が11月9日、鶴見区医師会の看護師らを講師に招き、車いす利用者への対応法を学ぶユニバーサルドライバー研修を社員向けに行った。医師会の協力を得ての研修は区内初。大野慶太代表取締役は「ゆくゆくは全社員に受けさせたい」と意気込む。
研修は(一財)全国福祉輸送サービス協会が策定したマニュアルに沿って実施。タクシー乗務員が車いす利用者に対し適切に接客できるよう、専門家から車いすの取り扱いや乗降時の介助方法などについて実践を交えながら学ぶ内容となっている。「せっかくなら鶴見にいるプロから学びたい」と大野代表が医師会に講師を依頼し、今回の研修が実現した。
当日は社員11人が研修を受講した。座学でコミュニケーションや介助の際の留意点を学んだ後、車いすのまま乗車できるユニバーサルデザインタクシー(UDタクシー)や、足が不自由な人でも乗りやすいよう後部座席が回転するウェルキャブ車を操作。実際に車いすに乗って利用者の心境を学ぶなど理解を深めていた。
需要高く
同社はUDタクシーを4台保有しているが、需要の高さから予約が埋まりがちで、必要とする人が利用できないという事態がしばしばあるという。大野代表は「普通のタクシーでも車いすに対応できないと困る人がいる」と一般車両でも対応できるよう、サービス向上へ社員教育に注力。医師会の栗原美穂子さんは「タクシー利用者の多くは高齢者。必要性が高まる中、相手を理解した運転者が増えるのは地域にとってもいいこと」と歓迎する。
全国福祉輸送サービスによると、県内の受講者数は2013年度で410人。関東では2番目に多いが、最も多い東京の3326人に大きく引き離されている。現在、同社の受講者は約30人。大野代表は「公共交通機関としてやって当たり前のこと。全社員130人に受けさせたい」と話した。
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