防災週間(8月30日〜9月5日)に合わせて岸谷小学校防災拠点で9月8日、卓上型の避難所運営ゲーム「避難所HUG」訓練のリアル版が行われた(東寺尾地域ケアプラザ主催)。テント組み立てや物資配布など、実際を想定して具体的な運営に取り組んだ。
「避難所HUG」は避難者の情報が書かれたカードを引きながら、避難所に見立てた平面図に対応を落とし込んでいく運営訓練ゲーム。平常時から避難所運営について考えられるようにと静岡県西部地域防災局(現・西武危機管理局)の職員が発案したもの。リアルHUGはその実践版。昨年、東寺尾地域ケアプラザが寺尾小学校地域防災拠点で実施し、今回で2度目となった。
病気やケガなど受入判断の難しい人をどう誘導するかがメインだった昨年を踏まえ、今年は、突然の事態を多発させ、運営側の対応力向上を狙った。
運営側課題も
当日は、震度6弱、マグニチュード6・5が発生したと想定。地域住民ら約100人が避難者役で参加した。
避難者役には受付けで子ども連れ、高齢者、川崎在住者、障害者など、実際の避難者として想定される役柄が与えられた。
途中、支援物資が届く、避難所まで来ることができない避難者を自宅に車イスで迎えにいくなど、イベントが発生。運営側は瞬時の対応に追われ、指示になかなか人が集まらない場面もあった。女性の着替えなどに使うためのテントが届いた時には、組み立てに苦戦する場面も見られた。組み立てに参加した住民は「慣れないことで正しい組み立て方が分からなかった」と困惑した表情を見せた。
知的障害者を想定した避難者に対応した住民の一人は、イラストなどで意思疎通を図るように試みたが「実際、知的障害の人は一人だったらパニックになっているはず。イラストを使っても難しいと思う。専用の別部屋を作るべきでは」と対応に苦慮した様子を見せた。
岸谷小学校防災拠点運営委員長で岸谷第四自治会の持丸留久会長は「『誰か手伝って』より、指示してしまった方が良いなど、勉強になった。あとは回数を重ねて慣れていくことが大事」と話した。
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