寄港する大型クルーズ船の増加やコンテナ船の大型化が進む横浜港で港湾消防力を更に強化していくため「水上消防救助部隊」がこのほど発隊した。5月13日、鶴見消防署・鶴見水上消防出張所=大黒ふ頭=で発隊式が開かれた。
今回編成された水上消防救助部隊とは、消防艇を使って船舶や港湾施設などの消火や救助などを行う水上消防隊と、潜水活動などで水難救助を専門とする水難救助隊が一体となったもの。
鶴見水上消防出張所を拠点とし、出張所長以下、水上消防隊員28人、水難救助隊員16人の計45人の職員で構成される。消防艇2隻、救助艇1隻、水難救助車1台の計4隊を2交代、14人体制で運用し、横浜港をはじめ横浜臨海部、更には鶴見川などの河川で発生する水難事故や船舶火災、コンビナート災害などに対応する。
時間短縮など効果
これまで水難救助隊は中消防署本牧和田消防出張所を拠点としていた。そのため、潜水員は陸から離れた現場に向かう際には水難救助車で出動し、途中で消防艇に乗り換えており、現場到着にまで時間がかかるという現状があった。
そこで、鶴見水上出張所の水上消防隊と合体し、水難救助隊も初めから消防艇に乗って出動することで、現場にもよるが、およそ30分程度到着時間の短縮が見込めるという。さらに、両部隊に精通した人員も配置し、訓練などをともに行い、互いに顔の見える環境を作ることで理解を深め、災害への即時対応力の強化を図ることができる。
期待背負って
発隊式当日は、横浜市消防局の高坂哲也局長が隊員一人ひとりに、青色で横浜と書かれた隊員章を授与。「安心安全は全ての市民の切なる願い。小さな隊員章だが、市民や職員の期待は大きい」と話した。藤田昇水難救助隊長は「横浜に住む人、訪れる人に安心安全を実感していただけるよう全力で取り組んでいく」と力を込めて宣誓した。実際に船舶から火災が発生したと想定して訓練も行われた。
4月1日に発隊してから、5月12日までの出場回数は15回で、水難救助隊員による要救助者の救出事例や、現場到着時間の短縮などの効果がすでに表れているという。
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