鶴見区内の2町会で、自治会館を災害時の拠点として活用する動きが出ている。平安町町会と上末吉五丁目町会が、このほど自治会館に太陽光発電を設置した上、蓄電池も配備。「有事の際、地域を守る拠点にできれば」と関係者は話す。
平安町
平安町会は、2つ会館を所有。今回、太陽光発電と蓄電池を設置したのは、2019年に完成した第2会館だ。導入には区の地域活動推進費補助金を活用した。
道を挟み隣接する第1会館には、15年ほど前の開館時に太陽光パネルを設置したが、蓄電池は当時高額だったこともあり、今回が初めて。河西英彦会長は「これで町会の電力は全て太陽光でまかなえる」と話し、環境的にも有意義とする。
神奈川県災害ボランティアネットワークの代表なども務め、災害対応の経験が豊富な河西会長は、「電気は安心にもつながり重要」と語る。災害時に最も必要な情報を得るためにも使用でき、「スマートフォンの充電が切れる心配もない」と河西会長。第2会館に設置しているアマチュア無線機にも活用できる。
河西会長は、まちの復興のために重要な災害ボランティアの宿泊場所として第2会館を利用する考えで、キッチン設備が充実している第1会館とすみ分けて活用する。
上末吉五丁目
上末吉五丁目は、会館の建て替えに伴い、太陽光発電と蓄電池を購入。蓄電池は容量が小さいものだが、ガソリンを燃料とする発電機やLPガス、灯油などを利用するものなど、いろいろなエネルギー源を確保することで柔軟に対応ができるように配慮した。
町会の備品のほか、災害時用の備蓄を2階に整理。瓦礫の片付けや夜間のパトロールなど、発災時、参加してくれた有志のために配布する食料として、50人を10日間動員できる分も備えているという。
「日常的に集まる場所としてはもちろん、防災拠点としての機能も強化できた」と佐々木泰広会長。コロナ禍でも、旧会館を使用して災害対応訓練などを実施してきた同町会。今後は、災害時のための太陽光の切り替え作業など、設営訓練を行う予定という。
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