被災者が語る あの日とその後VOL.4防災講演会より
遺体安置所で気づいたこと
家族であることをいち早く知るために、着衣のどこかに名前か印を付けておくと発見が早くなると思います。棺の中の頭髪は白髪でも黒く見えますので懐中電灯があると役立ちます。また手術の経過を覚えておくと良いでしょう。通院している歯科医を覚えておくのも良いでしょう。
DNA鑑定には兄弟姉妹、親類の協力が必要です。鑑定には1カ月以上かかる場合があります。遺体安置所で知り合いの遺体が判明した場合、立会いの方々に名前と住所を報告すると、棺に「何丁目の誰々さんと思われる」と表示され、発見に協力できます。
避難生活について
3月13日から家内の実家にお世話になって家族4人からの連絡を待ちましたが、連絡はありませんでした。毎日何もすることがなく、新聞を読んでは涙、テレビのニュースを見ては涙でした。私が避難所を訪問するようになったきっかけは、仮設住宅入居希望者説明会に出席したときのことでした。後ろから「会長、元気だったんだ」と声が。隣組のご夫婦でした。町内会の皆が、私が死んだのか、生きているのか心配している。顔を見た人が元気をもらえるから、顔を出してくれないかと言われました。私を心配し必要としている方々がいることを知り、自分に何が出来るか考えました。そして従来通り世話役をやろうと決心しました。私が引きこもっていたので皆に心配をかけてしまった。めそめそしていられないと思い切って、一番近くの避難所を訪ねました。そこで一人ひとりに「お変わりありませんか、元気ですか」と声を掛けさせていただきました。すると「奥様には大変お世話になりました。あんなに面倒見の良い人は二度と出てこない」と言われました。翌日から避難所を回ることを決意し、皆と再会を果たしお互いの無事を確認することができました。 [次回に続く]
|
|
<PR>
|
|
|
|
|
|
|
|
|
<PR>