大船まつりの一環として鎌倉芸術館でコンサートを開く クリストファー・ハーディさん 大船駅周辺在住 45歳
大船からリズムを刻む
○…5月13日に行われる大船まつり。その中のプログラムの一つ、鎌倉芸術館「マリンバとパーカッションのコンサート」でマリンバ奏者の新谷祥子さんとともに打楽器を用いて「手のひらを太陽に」などを披露する。これまでにシルク・ドゥ・ソレイユの「ZED」で演奏するなどの経歴を持ち、世界的な活躍を見せている。
○…米国デトロイトの出身。「幼いころから楽器の中ではドラムが一番かっこよく見えた」と話し、ピアノを習う代わりにドラムセットを両親にねだったのは10歳の時。「毎日夢中で叩いていた」と振り返る。中学や高校ではブラスバンド部で打楽器を担当する傍ら、友人らとロックバンドを結成。「ハートに響くリズムがたまらない。10代のころはただただ純粋に音楽を楽しんでいた」と話す。進学したミシガン大学では打楽器を専攻。オーケストラに憧れた時期もあったものの「一つのものに縛られず、色々な演奏に挑戦したい」と思い、プロの打楽器奏者を目指した。そんな折、授業の一環で日本でコンサートを行う機会が。「和太鼓など独自の音楽に感銘を受けた」と語る。「6週間位滞在した。浴衣を着て歩き回ったのは良い思い出」と笑みを見せた。
○…一度訪れた日本での経験が忘れられず23歳で渡日、プロの世界へ。「初めは言葉が分からなくて大変だった。でも音楽で通じ合うことができた」と微笑んだ。「日本人は反応が薄いとよく言われるけど、じっくり味わって聴いてくれている。その感性が好き」と話す。現在は、中近東や南米の伝統的な太鼓など2トントラックいっぱいの打楽器とともに世界各地で演奏活動を行っている。
○…「歴史があって、海も近い鎌倉に憧れがあって」と話し、大船駅近くに越してきたのは2年前。日本での生活が人生の半分に差し掛かり、「今後はもっと活動のスケールを大きくしていきたい」と語った。