鎌倉版 掲載号:2018年2月2日号 エリアトップへ

漆工房「時蔵工房」を主宰する 岡 英雄さん 鎌倉山在住 59歳

掲載号:2018年2月2日号

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「漆塗りの奥深さ感じて」

 ○…主宰する漆塗り教室の生徒約40人による初めての展示会が2月7日(水)まで、鎌倉芸術館で開かれている。展示されるのはウクレレや弁当箱など約120点。「従来の枠にとらわれない自由な発想に、職人である自分も驚いている。漆塗りの奥深さや面白さを感じてもらえる空間になれば」と話す。

 ○…横須賀市出身。もともと工芸が好きだったことから、鎌倉彫高等訓練校の門をたたいた。同校では塗りを専攻。卒業後は十二所の工房で修行し29歳で独立、知人の紹介で34歳のときに鎌倉山に工房を構え、鎌倉彫や家具の塗り加工など、漆塗り全般を扱う職人としてキャリアを積んだ。「漆は防虫や防腐、抗菌など塗料特性が高いという実用面に加え、扱い方によって表情が変わる奥深さがある。長年やっていても新しい発見があるのが楽しい」と語る。

 ○…「生徒を持つことは一切考えてなかった」というが、15年前、伝統鎌倉彫事業協同組合から依頼され、一般向けの塗りの講習会を実施。すると受講生から「もっと学びたい」という声があがり、自身の工房で受け入れることを決めた。「教室」とはいってもカリキュラムはなく、開放日であれば誰でも自由に制作活動に取り組める。「分からないところを聞きにくれば教えるけれど、基本は自由。好きに塗って試行錯誤を繰り返してできた作品こそ、面白いものができるから」と朗らかに話す。

 ○…工房の名である「時蔵」には人が漆に関わってきた悠久の歴史を重ねた。仕事を離れても、スノーボードやゴルフクラブを改造するなど手作業に凝ることが多い。さらに10年前からはウクレレ制作にも挑戦している。「何かを作る時間が一番好きだから、この仕事が性に合っているのかも」と笑う。息子も漆塗り職人として一歩を踏み出しており、「仲間が増えるのは素直にうれしい」と目尻に皺を寄せた。

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