第14回ヴィエニャフスキヴァイオリンコンクールで2位に入賞した 小林 美樹さん ウィーン在住 21歳
「私のファン」を作る演奏を
○…ポーランドで昨年10月に行われた国際大会で堂々の2位を飾った。同大会は5年に1度開催され、若手ヴァイオリニストの登竜門として知られている。国際大会で入賞したのは今回が初めて。ウィーン私立音楽大学に在籍しており、現在は冬休みを利用して実家のある七里ガ浜に帰省中。「やっぱり日本の方が暮らしやすい」とほっとした顔を見せる。
○…ヴァイオリンと出会ったのは4歳。「友達とわいわいやっていたから楽しかった。自然とヴァイオリンの世界に惹かれていった」と振り返る。小学校1年生の時に鎌倉市学生音楽コンクールに初参加し、優勝。以後少しずつその才能を開花させていった。中学生の時から音楽の道を志し、音楽科のある高校へ進学。4歳離れた姉でピアニストの有沙さんがベルリンに留学したことをきっかけに、自身も海外への夢を募らせていった。「クラシックの文化は西欧諸国が本場。その文化に触れることでもっと音楽の幅を広げたいと思った」と当時の気持ちを話す。
○…大学に1年間通った後、念願のウィーンへ。「初めは生活になかなか馴染めず、日本が恋しかった」と苦笑い。一方、レッスンについては「表現の方法まで先生がアイデアをくれる。これまでにはない新鮮な経験だった」と話す。「ウィーンは街並みがとてもきれい。カールス教会のライトアップがお気に入り」と海外生活について語った。
○…3年前より姉の有沙さんとの共演も行うように。「姉は言わなくても感じてくれて、演奏の呼吸があう」と話し、留学先でも交流を続けている。時にはケンカもあり「1年前の時は鍋を曲げてしまったことも」と反省。舞台上では観客を観察する冷静さを持ち「寝ている人を見つけたら『次の音で起きろ』と念じながら演奏する」と話す。「色々なジャンルの音楽に挑戦したい。目下の目標は私のファンを作ること」と満面の笑みで語った。