5月24日の鎌倉芸術館「春のかまくらランチタイム・コンサート」で初のジャズ公演を行う 牧野 竜太郎さん 雪ノ下出身 33歳
型にはまらない生き方
○…鎌倉に縁あるアーティストをゲストに行われる「春のかまくらランチタイム・コンサート」(鎌倉芸術館主催)で、初のジャズ公演に出演する。ピアノを伴奏に、オリジナル曲やジャズスタンダードなどを伸びやかで張りのあるヴォーカルで聴かせる。
〇…鎌倉のレストラン「KIBIYA」の長男として市内雪ノ下に生まれた。「店でパーティーがあると、ミュージシャンを呼んでジャズライブ。生活の中にジャズはずっとあった」と、自身の原点を語る。映画好きの父の影響で役者に憧れ、小学5年生の時に劇団ひまわりに入団。「演技の勉強」で15歳からアメリカ、カナダと海外生活になじんだ。ニューヨークの大学ではミュージカルへの興味などから音楽を専攻。幼少時に習ったピアノと再び向き合う中、師事していたピアニスト早間美紀さんに歌唱力を見出され、歌手としての可能性も模索した。
〇…9・11の同時多発テロで国際情勢が不安定になったのと同じ頃、自身も進むべき道に迷い帰国の途に。一時は「家業を継ぐ宣言」し父が経営するジャズクラブ「ダフネ」に勤めるも、店で演奏する同世代ミュージシャンと接するうちに表現者としての欲求が甦り、「なんかしっくりこない」もどかしさが募る日々。そんな時、母にステージに立つことを勧められて歌い手人生をスタート。その後都内へ進出、新人を探していた音楽関係者から誘われ、28歳の時にファーストアルバム「RM」を発表した。
〇…バリー・マニロウのジャズアレンジは学生時代からの愛聴版。海外ではブラックミュージック、ロック、テクノなど、多様な音楽を体感。ナット・キング・コール、ダニー・ハサウェイが好き。だが、「真似をしたミュージシャンは特にいない。ジャズは型にはまらないのがおもしろい」と目を輝かせる。「いずれは地元鎌倉を拠点としたい。鎌倉から外へ文化発信していけたら」と展望を語った。