22年にわたって防犯指導員を務め「防犯栄誉銀章」を受賞した 薄永(うすなが) 礼子さん 笛田在住 64歳
地域の安全見つめ続ける
○…地域のパトロールや警察署と連携した犯罪防止活動などを行う防犯指導員としての貢献が評価され、このほど警察庁と全国防犯協会連合会による「防犯栄誉銀章」を受賞した。「こつこつ続けてきただけなので驚いていますが、うれしく晴れがましい気持ちです」と笑顔を見せる。
○…鎌倉で生まれ育ち、結婚後の数年を除いて現在も市内に住む。防犯指導員として活動するようになったのは22年前。「自分のペースで続ければいいから」と町内会の知人から依頼されたのがきっかけだ。以来、下校する小学生への声かけや啓発キャンペーンなど様々な活動に参加してきた。長続きの秘訣を尋ねると「仲間に恵まれたことが大きかったですね」とニコリ。活動は犯罪の傾向に合わせて変化しているが、特に最近は振り込め詐欺対策に力を入れる。「被害にあった方はお金をとられるだけでなく、自分自身を責めてつらい思いをするそうです。『私は大丈夫』と思わずに不審な電話があったらまずは疑ってほしい」と真剣な表情を見せる。
○…鎌倉署が民間から運営への意見を聞くために設けている協議会の委員を今年から務めるほか、深沢小学校で登下校時の見守りを行っている。活動は7年目を迎えており「子どもたちの元気な姿に私たちが活力をもらっています。卒業後も挨拶してくれる子どもたちもいて、励みになりますね」と話す。
○…一人息子はすでに独立し、母と夫の3人暮らし。30年前から続けるヨガがストレス解消、健康維持に役立っているという。「体を動かす気持ち良さもありますが、友人たちとのおしゃべりが楽しみ。やっぱりいい仲間がいるからがんばれるんですね」とほほ笑む。防犯指導員は「そろそろ後進に道を譲りたい」というが、成り手不足が目下の悩みだ。「自分自身のためになることも多いので、ぜひ多くの人に参加してもらえたら」と呼びかけた。