湘南ベルマーレのトップチーム監督としてシーズン開幕戦に臨む 浮嶋 敏さん 52歳
「準備と努力」積み重ね
○…J1リーグ今季開幕戦(2月21日・浦和戦)を目前に控え、「特別感はありますが、毎試合ごとに最高の準備に向けて、最大の努力を惜しまず積み重ねたい」と長丁場のシーズンを見据える。選手らと寝食を共にしたスペインキャンプでは、チーム戦術の共有に多くの時間を費やし、敵陣で攻撃的なサッカーを展開する『湘南スタイル』に磨きをかけた。海外クラブを相手に行った試合を振り返り、「新加入の選手も戦術を理解し、吸収してくれた」と手応えを感じている。
○…チームの指揮官にありながら立ち位置を「キャプテンの少し上」と設定し、一人ひとりの目線に合わせて選手と接する。「指導にあたり褒める、叱るといった感情は互いを知り、承認関係が築けないと響かない」とコミュニケーションの重要性を説く。相手を知る力は、富士通サッカー部(現川崎フロンターレ)を28歳で引退後、同社営業マン時代に培われた。医療機関に電子カルテシステムの導入を提案し、成約に向けて営業先の情報分析や患者を中心としたチーム医療の必要性を訴えた。
○…ピッチサイドから向ける鋭い眼差しは、妻と5歳の愛娘が待つ家庭に戻るとパパの顔に早変わり。「家族で過ごす時間は何よりの癒し」と目尻も下がる。勝った、負けたの感情は家庭に持ち込まない主義と言い、「妻も気を使って、サッカーから距離を置いてくれるのでありがたい」と感謝を表す。
○…開幕戦は相手の浦和レッズのサポーターが大挙して押しかけて来ることが予想される中、緑と青に染まったスタジアムに思いを馳せる。「心強く幸せなこと」。大声援で選手の背中を押してくれる湘南サポーターに勝ち点3を届ける覚悟を滲ませた。