魅せます!鶴見のものづくり企業【9】 顧客目線の工業用ブラシ 東寺尾 ステイト工業株式会社
自動車のエンジンに使われる金属部品のバリ取り(不要なでっぱりを研磨すること)や、液晶テレビなどの画面の精密洗浄、コンベヤの清掃などに欠かせない特殊ツール「工業用ブラシ」を製造する同社。
2代目の中根利治代表取締役は、「例えば、エンジンにぎざぎざの粗があったら車が止まってしまいますよね。工業用ブラシは、実は色々な場面で必要になるものなんです」と話す。
独自工法を開発
1970年、日産自動車株式会社が金属加工後のバリ取りなどの処理を始めるため、初代社長へ声をかけた。それが発足のきっかけ。
もともと、金属部品や食品機械などへの使用が主だったが、1998年頃から電子業界向けに市場開拓。ハードディスク用基板の研磨などにもブラシが使われるようになった。そこから約10年の間に、国内の液晶テレビのガラス基板洗浄装置メーカー向けシェア80%以上を獲得するなど、会社は大きく成長した。2010年にはタイに新会社を設立している。
さらに、2021年には、海外向けを意識した独自工法の新商品の販売を開始した。新商品は、毛の部分がだめになってもその部分だけ交換できるカードリッジタイプ。毛の部分のみのため、輸送費なども安く済むという。「ブラシは消耗品なので基本的に使い捨て。でもそれじゃもったいないと思って。資源を無駄にせず、製造コストも下げられる」と中根社長。
世界で愛用目指し
同社が大切にするのは、「お客様目線」。ブラシにはたくさんの種類があるが、同社で作るのは全て使用用途にあわせて作られた特注品。カードリッジタイプの独自ブラシも、お客目線のツールを従来の工法などに捉われずに商品化した結果だった。
これから力を入れたいのは海外市場への展開強化。「今後もお客様目線の商品をさらに開発していき、世界でも愛用されるブラシを提供していきたい」
|
|
|
|
|
|
|
<PR>