真打噺家・林家たけ平のちょいと一服
(八)具の名から生まれた蕎麦って?
まもなく冬でございます。古典落語「時そば」は、落語を知らない方にも有名で、また、冬を代表する噺の一つ。
ところで、当時、担いで歩く蕎麦屋さん(私の頃はラーメン、チャルメラでした)について、突然ですがクイズです。さて、当時の移動蕎麦屋さんの蕎麦の具は何だったでしょうか?
答えは海苔か竹輪。理由は移動式なんでなるべく軽い物しか運べないからこの2つの具になったのです。天麩羅蕎麦といえば、天麩羅はイカが多かったそうです。イカの天麩羅を食べようとするとなんと中にイカが入ってない…そんな乱暴な蕎麦屋もあったそうな…。イカが入ってるか、箸でころもをぐちゃぐちゃにして、ころもがぐちゃぐちゃになってしまったのがタヌキソバの原点。箸で崩したら天麩羅のタネが入ってない、あ、騙された!つまり、化かされた…。タヌキのように化かしたから、これが「タヌキソバ」になりました。
もしくは、タネ抜きそばが転じてタヌキソバになったそうです。
こんなことをまた知っていただくと落語、更に楽しくなると思います。これで、また、チコちゃんに叱られずに済みますね(笑)。
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