座間市で葬祭業を営む溝渕信一さん(54)と息子の隼也さん(26)が能登半島地震の被災地で遺体搬送支援に携わり、現地で過ごした8日間を振り返った。
遺体の搬送支援は、石川県との間で災害時の遺体搬送に関する協定を結ぶ全国霊柩自動車協会が同県の要請を受けて行われた。(株)三寶天壽企画(座間市)の代表で、同協会の災害時対策委員会のメンバーでもある溝渕さんは東日本大震災でも同様の活動を担った。
1月9日に同協会から出動依頼を受けた溝渕さんは、翌10日昼に自社の遺体搬送車両で座間市を出発。同日夜に災害対策本部のある金沢市に到着した。「緊急通行車両標章」を掲げ全国各地から集まった10人前後の同業者と合流すると、11日から18日まで輪島市や珠洲市から、金沢市内に遺体を搬送する役割を担った。
道中では倒壊した建物が道路を寸断し、波打つ路面に長時間を費やし、「余震の二次災害で土砂崩れもあった」。刻々と状況が変化するため、前日に通行できた道路でも、翌日には迂回を余儀なくされることもあったという。
溝渕さんは「突然の地震で命を落としたことを思うと、最後の望みを最大限、叶えてあげたいと感じた」と遺族に寄り添った。仲の良かった姉妹の搬送では2台の車両で隊列走行して遺族の想いに応えたという。
「亡くなった家族の傍から片時も離れない遺族の姿に胸を打たれた。正月の団らんを繰り広げるはずだったことも頭をよぎった。被災地の遺体搬送支援は亡くなった方の尊厳を守る重要な支援だと思う」と、知られざる支援について語った。
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