絶滅危惧種に指定され「幻の山野草」とも呼ばれている「ニホンオキナグサ」が、市内本郷に暮らす主婦・池亀かよさん=人物風土記=宅の庭で開花した。
絶滅危惧種 ニホンオキナグサ
ニホンオキナグサはキンポウゲ科の多年草で、池亀さんによると、かつては日本全国に自生していたという。しかし宅地造成などに伴い生育できる環境が激減。絶滅の危険が増大している種を定める、絶滅危惧種II類(VU)に指定されている。
池亀さんがオキナグサを育て始めたのは10年前。幼少期には身近にあった野草が絶滅の危機に際していることを知り、園芸店で株を購入。試行錯誤の日々が始まった。
幼少期に目にしたオキナグサが自生する風景が頭に焼き付いている。「花壇ではだめなんです。自然に咲いているからこそ、風情を感じる」。自宅の庭に野草などを植え、自然に近い状態を楽しむ「ナチュラルガーデン」を整備した。
150坪のガーデンにはイチリンソウやヤマブキソウといった山野草に加え、落葉樹など300種を超える植物が植えられている。その全てが「オキナグサが育ちやすい環境を保つため」だという。
スタートは1株
花が咲き終わる5月上旬に種子がつく。この種を採取しプランターで育苗。夏は暑さを避け、冬は寒風を避けるなど生育期間には相当な手間がかかる。種から育て約1年後、土壌環境の良いこの時期に地植えする。環境に左右されやすいデリケートな植物で、「こぼれ種」が育ちにくいとされるオキナグサだが、10年前、園芸店で購入した1つの株から種を受け継ぎ、育て続けた結果、現在は500株ほどが、春先に花を持つにまで広がった。
池亀さんは「きれいで目立つ花ではないけれど、絶滅の危機にひんしている日本の固有種を多くの人に知ってもらいたい」と話している。観賞を希望する場合は池亀さん【電話】046・238・2937へ。
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