海老名市は9月19日から集積所に出された新聞紙など古紙の持ち去り防止策として、衛星利用測位システムいわゆるGPSを使った追跡調査を開始した。
「資源物」を持ち去る行為は5年ほど前から全国的に社会問題化している。海老名市では2011年度に資源の持ち去りに罰金を科す条例を施行した。
しかし条例施行前の2010年度に6409トンあった古紙の回収量は11年度には345トン減少し6064トンに、12年度はさらに389トン減少し、5675トンとなった。
市はこの減少の一因に「持ち去り」があると考え、9月上旬に古紙問屋で組織する「関東製紙原料直納商工組合」との間で追跡調査に関する覚書を締結した。
19日からはこれまでのパトロールや目撃情報などから、重点箇所となる集積所に小型のGPS端末を仕込んだ古紙の束を設置。この束を持ち去った車両の位置情報を確認することで、受け入れ先の古紙問屋を特定し、組合が問屋に対し不正持ち去りの古紙を購入しないよう指導する仕組みだ。
「抑止効果」も期待
市資源対策課では、従来のパトロールも継続していく考えで、「集積所に出された資源物は責任を持って活用することが行政としての責務。持ち去りは条例違反であり、GPSを導入したことで、持ち去り犯に対しての抑止効果につながれば」と話している。
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