海老名市教育委員会は12月4日、小学6年生と中学3年生を対象に4月に実施した2014年度全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果を市のホームページ上で公表した。調査は国語、算数・数学の2教科で同市の平均正答率は全国と比較し、小学校が「やや下回っている」という結果となった一方、中学校は「やや上回っている」という結果となった。
学力テストは2007年度からはじまり、今年度は全国の国公私立およそ3万校の約215万3千人がこのテストを受験。市内では2339人(小学校1231人・中学校1108人)が調査対象となった。
文部科学省は結果の公表に関してこれまで、「学力の一部の評価で学校の序列化を生み、学校間の競争が激化する」ことなどを理由に、市町村ごとの結果公表を認めず、都道府県ごとの平均正答率など全体の状況をまとめ公表してきた。
しかし昨年11月、同省は14年度から市町村教育委員会の判断で学校別の成績公表を認める方針を決定。海老名市では10月24日に開かれた教育委員会定例会で、事務局が提示した公表案が全会一致で可決された。
中学校は平均越え
「保護者や市民とも結果を共有し、学力の向上につなげよう」と、市教委が公表した資料によると、小学校では4つの科目とも全国平均を下回り、中学校は全国平均を上回る結果だった。
全国平均と海老名市の正答率の差が最も大きかったのは小学校の国語の活用力を見る「国語B」。全国平均よりも2・3ポイント低い結果となった。特に2つの詩を読み、共通点や相違点などに着目し自分の考えを書く項目については、全国平均を10・8ポイント下回った。
具体的な指導改善策
資料内には教科ごとに領域ごとの正答率とともに結果を受けての指導改善策が示されている。
例えば漢字や故事成語、言葉の意味や使い方、文章の読み取りなどの知識を問う「小学校国語A」で全国平均に比べ2・7ポイント低い結果となった「伝統的な言語文化と国語の特質」に関する領域については、国語辞典を使い言葉の意味や使い方を調べることを習慣づける――など、具体的な指導改善策が示されている。
学校別成績は数値化避ける
10月の定例会では学校別の平均正答率公表は「学校の序列化」を懸念し見送る決定が下されていた。
成績を分析した上で、文章で評価を示すとし、今回は学力向上に向けた具体的な指導改善策を盛り込んだ冊子を学校ごとに作成。保護者に配布すると同時に市のホームページ上でも公表されている。
携帯・スマホ利用時間長い
学力テストと合せて実施した生活習慣や学習環境についてのアンケートでは家庭などでの学習習慣は良好なものの、携帯電話やスマートフォンの使用時間が長いことが明らかになった。
こういった結果を受け市教委では学力向上のための8つの教育施策を策定。補助指導員の配置などこれまでの取り組みに加え、来年度は新たに放課後の子どもの学習支援「まなびっ子クラブ」の開設や、中学校区1つを研究校に指定し、小中一貫教育の試行を行うことなどが示されている。
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