市内本郷にある「本郷中谷津遺跡」で7月下旬から発掘調査が行われ、竪穴建物跡や道上遺構、土器類が新たに出土した。これを受け、海老名市教育委員会は8月16日に発掘現場で見学会を実施。本郷地区の住民らが参加し、詳細な説明を受けていた。
本郷中谷津遺跡は、釜坂川と永池川に挟まれた相模野台地南西端部に位置している。道路新設や建物の建設など開発が遺跡に及ぶ際には発掘調査が行われており、これまで19地点で弥生時代中期の環濠集落や古墳時代前期の建物跡などが確認されている。
今回の発掘調査は、今後着工する保育園の建設工事に先駆けて行われたもの。本郷にある、毎日新聞首都圏センター海老名工場東側の土地約200平方メートルを50cmほど掘り下げたところ、弥生〜古墳時代と、奈良〜平安時代のものとみられる竪穴建物跡が七つ、近世以降のものとみられる道状遺構が一つ見つかった。建物跡の中からは、土師器、須恵器、陶磁器などの土器類が掘り起こされた。
市教委は「これまでも周辺で出土が確認されている場所なので、遺構があることは予測されていた。結果、さまざまな品が見つかり、本郷地区に大規模集落があったことを裏付ける一つのヒントになった」と話している。
「近所の遺構」に感嘆
16日には、地域住民に歴史を体感してもらうことを目的に見学会を行い、約70人が参加した。会場には出土品が展示されたほか、実際の発掘現場に集まり、推測される事柄を調査員が説明。参加者はメモを取りながら熱心に耳を傾けていた。
参加者は「自宅の近くに遺構が眠っていると知り、驚いた」などと話していた。
出土品は今後、パーツの接合等を経て、郷土資料館「温故館」に展示される可能性もあるという。
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