絶滅危惧IB類に指定されているトチカガミ科の植物「ミズオオバコ」が、市内中新田の水田などで直径2〜3センチほどの薄ピンク色の花を咲かせている。見頃は9月末頃までだという。
「ミズオオバコ」(水大葉子)は、水田や水路、ため池などに生育する1年草。葉は水中にあり、その間から花茎をのばし、水面に花を開く。
絶滅の恐れがある生物種をとりあげ、自然の保護における優先順位を決定する手助けとなる種の分布や生息状況などの情報をまとめた「県のレッドデータブック」によると、土地造成や農薬汚染の影響などにより近い将来、野生での絶滅の危険性が高いものとされる”絶滅危惧IB類”に指定されている。県内では海老名を含めた低地のある土地で生育が確認される場合があるという。
保全の必要性
また、県立生命の星・地球博物館の植物担当学芸員によると、土地造成以外にも「水田耕作の方法」も植物減少の一つの要因とされる。品種改良などが進み、これまでとは違った耕作方法により水辺環境が変化。これにより以前とは違った環境に対応できず、減少が進んでいることもあるという。また、こうした変化はミズオオバコだけでなく、他の生態系にも影響があり、これまで住んでいた生物の減少なども危惧される。「時代が変われば、耕作方法が変わるなどは仕方の無いこと。できれば地域で保全活動団体が立ち上がり、自生地を復元するような環境を整えるのが好ましい」と話す。
市内の植物愛好家の一人は「とても可愛らしい花が咲いている。絶滅危惧種である事も知ってもらい、見て欲しい。多くの人が関心を持って保全にも取り組んでいければ」と話した。
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