海老名・座間・綾瀬版
公開：2021年2月5日
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取材に応じる菊池理事長 ＝1月21日
年末年始からの全国的な新型コロナ感染者の増加に伴い、ＰＣＲ検査が受けられる地域のクリニックでも検査数が大幅に増加している。
綾瀬市のきくち総合診療クリニックでは昨年６月から、誰でも検査が受けられる体制を整備。症状があれば公費だが、症状がなくても自費で検査が受けられる。ＰＣＲ検査数は10月は69件、11月１４３件、12月は２８６件と右肩上がりに増え、１月も１日平均30件と12月を上回るペースで推移してきた。
判定に数日かかるＰＣＲ検査とは異なり、15分で結果が出る抗原検査はさらに検査数が多く、11月は３６０件、12月は５３３件、１月は１０５８件に上った。発症から間もない場合はＰＣＲ検査になるというが、発症から２日経過していた場合はＰＣＲよりも抗原検査の方が結果判定が早く、その場で次の対応についても診察できるという。
新年最初の診察日だった１月４日は、診療時間前にクリニック前に長い行列ができたこともあった。「列を見たときは驚いた。今は、その日に比べれば落ち着いてきている」と菊池大和理事長は話す。
かかりつけ医の使命
風邪や発熱の症状がある人はもちろん、「濃厚接触者にはあたらないと言われたものの、職場など身近な人が陽性者になったので不安」、「仕事の出張や帰省前にチェックしたい」など検査を受ける理由は様々。条件なく誰でも検査が受けられるようにした理由について菊池理事長は「かかりつけ医とは本来、どのような体の不調や健康への不安でも頼られる存在でなくてはならない。コロナも病気の一つなのだから避けては通れない」と話す。
同院では誰にとっても受診しやすいよう、夜間や日曜、祝日にも診療を行う。保健所や他の医療機関からの紹介もあり、周辺地域からや、会社単位での検査も増えている。同院は「総合診療」として内科、外科、心療内科など幅広く診療しているが、発熱者と他の患者との診察時間を明確に分けて対応できている。
日々診察する中で「まだまだ感染症対策への意識が低い人がいる」と菊池理事長は警鐘を鳴らす。検査を受ける人の中には、飲み会に参加した人や、体調が悪かったが無理して出勤していた人もいるという。
総合病院での救急医の経験もある菊池理事長は「医療体制は大変な状況にある。少しでも体調が悪かったら休む、マスクなしの会話はしないなど、常に自分が感染しているかもしれないという意識を持って生活してほしい。少しでも不安があれば、検査に対応している医療機関に相談してほしい」と訴えた。
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