強い毒性を持つキノコ「カエンタケ」が県内各地で見つかっており、座間市内でも確認された。病害虫による樹木の伝染病「ナラ枯れ」の拡大でナラ類の樹木が集団枯死することで、カエンタケが発生しやすい環境になったことが背景にある。
カエンタケはブナ、コナラなど、主にナラ類の広葉樹林の枯れた切り株などに夏から秋にかけて群生して発生する。表面はオレンジ色から赤色で、燃える炎のようにも見える。毒性が非常に強く、誤って食べてしまうと死に至る可能性があり、触れるだけでも皮膚が炎症をおこす場合があるとされる。
県立座間谷戸山公園では今年7月にカエンタケを確認。一昨年から確認されてはいたが、年々カエンタケの発生箇所が増え、今年は昨年よりも増加しているという。
背景には、近年急増しているナラ枯れがある。ナラ枯れは、体長5mmほどの昆虫「カシノナガキクイムシ」が媒介する「ナラ菌」によってブナ科の、主に大きな老木が枯死する伝染病のこと。葉が急速に赤褐色に変色し、倒木の危険もある。
座間谷戸山公園では一昨年、昨年と約300本の被害があり、今年も新たに100本の被害を確認している。同園の菅原正士園長は「カエンタケは、枯れたナラ類の切り株に生えやすい。これまではあまり見られないキノコだったが、ナラ枯れの拡大によって、発生しやすい環境が増えたことが要因」と分析する。
「触らないで」
同園ではカエンタケを発見すれば根本から除去できるが、菌糸が残っていると再び同じ場から生えるケースもあるという。菅原園長は「人が立ち入らないところに生えることも多いので、公園には安心して遊びに来てほしい。もし発見した場合は、触らずに公園事務所に連絡を」と話した。
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