20周年を迎えた横浜市国際学生会館の館長を務める 長岡 登さん 横須賀市在住 62歳
「留学生に楽しい思い出を」
○…市内の大学に通う留学生108人が暮らす「横浜市国際学生会館」。館長を務めて3年目となる今年の5月、設立20周年を迎えた。9月には潮田地区センター、潮田地域ケアプラザと合同で開催する秋祭りで周年行事を行う予定だ。「困ったときは何でも相談して」。異国の地で頑張る学生のサポートに力を尽くす。
○…もともとは研究職に就いていた。公害問題が深刻だった学生時代、釣り好きとしてじっとしていられず、「水質汚染を究明したい」との思いで研究機関に勤めた。しかし、「データを活かすためにも、法律を執行する立場にいなければならない」と、27歳で市役所に入庁。衛生研究に励んだ。退職後、同館の館長に就任。話がきたときは「サービス行政がやりたかったから嬉しかった」と笑顔で振り返る。これまでの経験を活かし、東日本大震災以降、非常時には留学生に安否確認メールを送る体制を整えるなどの危機管理を徹底。防災意識の向上にも力を入れている。
○…趣味はやはり釣り。「イワシの群れに落ち着きがなかったら、大きな魚がいる証」と、薄暗い海でも大物を見極めるベテランだ。ほかにも、ゴルフや卓球など大のスポーツ好き。「市役所時代、昼休みに徹底的に練習した」という卓球には自信あり。同館のスポーツ大会で中国人留学生をおさえ優勝するほどだ。「好きになれば集中して取り組める。仕事もこれだけ好きになればいいんだけど」と快活に冗談を飛ばす。
○…「留学生の夢を叶えてあげたい」。目下、力を入れているのは就活支援。日本語ボランティアチューターを市内から招き、学生が好きな仕事に就けるよう力を注ぐ。区内からも来てくれるボランティアがいるという。「地域には温かく見守ってもらっている。いつか祖国との懸け橋になってくれたら。そのためにも楽しい思い出をたくさんつくってもらいたい」。父親のような眼差しで見守る。
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