鶴見区民生委員児童委員協議会の会長を務める 神保 修治さん 平安町在住 75歳
得意技はコミュニケーション
○…「横浜市は75歳が定年なんだけど、誕生日またいだから延長しちゃった」。福祉に関する地域の身近な相談役として、厚労省から委嘱され活動する民生委員。任期は3年。3期目となる会長に再任された。「会長といっても行政とのパイプ役」。担当地区では各委員の活動を手書きでまとめ、区へ報告。市の理事など、区会長の肩書にともなう役職も多く、「威張れるものじゃない」と笑う。
○…生まれも育ちも鶴見。小学校6年生から平安町住民だ。市会議員だった父の影響もあり、若いころから地域での活動は近くにあった。民生委員に推薦されたのは40歳のとき。まだ現役バリバリの会社員だった。「土日のみの下っ端だったよ」。だが、一人暮らしの高齢者などを訪問する活動は、当初抵抗があった。「元気ですか?って、一人で行くのはちょっとね」。どっぷり浸かり始めたのは60歳で定年を迎えたあとのこと。「福祉活動は嫌いじゃないんだろうね。人と会うのが得意だから」
○…カレンダーと手帳、最近変えたスマートフォンには予定がびっしり。人とのつながりが大事だと、会合などには極力出席するからだ。民生委員のほかにも、保護司を30年、町会では副会長を務めるなど多忙を極めるが、「息抜きは自分次第」と意に介さない。「妻は呆れている」と自嘲しながらも、「理解があってこそ」ともいう。
○…高齢化による業務量の増加に加え、担い手不足もある。最近では災害時の要援護者の支援法など、課題は山積している。最後の奉仕となる3年間。区内17ある各地区に顔を出し、地域でどんな問題があるか見極めたい。自身の経験も踏まえ、円滑な活動のために町会役員になることなども勧めていきたい。理想的なのは、民生委員だからではなく、隣近所、地域全体で高齢者や児童の見守りなどの福祉に取り組むまちになること。そのために、地域のつながりの先導役を担う。
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