大規模地震による火災を想定し、地域・消防団・消防署が連携した消防総合訓練が3月13日、三ツ境商店街(石垣徳知会長)で行われた。訓練では移動式初期消火器具を初使用し、住民らによる初期消火が実施された。
横浜市は、一昨年4月に策定した「横浜市地震防災戦略」の中で、2022年度までに木造密集地域などの全壊・焼失を半減することを目標とし、ハードとソフト両面で対策を実施。さらに、地域防災力向上のため、各自治会へのスタンドパイプ式の初期消火器具普及を進めている。
木造密集地域の三ツ境地区でも昨年2月、瀬谷火災予防協会(川口恭正会長)が同商店街に移動式初期消火器具を贈呈した。地震で火災が発生した場合の延焼を防ぐため、住民の「共助」による初期消火促進がねらいだ。
瀬谷区内には現在、自治会・町内会を中心に初期消火器具が約150基設置されており、年間通して訓練を行っているが、移動式消火器具を使用した訓練は今回が初。
住民参加で初期消火
訓練には、三ツ境商店街と三ツ境病院から20人、消防団(女性消防団4人)、瀬谷消防署から20人の合計約50人が参加した。
訓練は午前9時半、「震度6強の地震が発生しました」という放送でスタート。三ツ境病院裏の木造住宅から火災が発生したことを想定し、同院で女性消防団員による避難誘導を実施。院内の患者を三ツ境第三公園に搬送した。
その後、同商店街の自衛組織「地域活動隊」のゼッケンを着用した4人が、手際良くホースを伸ばし病院前に到着すると、屋外階段に向けて放水を開始。さらに、消防車両が水管を延長し放水態勢を整え、住民らと共に消火活動を行った。
商店街から参加した矢沢正芳さんは訓練を終え、「初期消火はスムーズにできたのでは」と振り返り、「いざという時には慌ててしまうと思う。引き続き訓練を行っていきたい」と話した。
同商店街では、初期消火器具を受け取った後に昨年2回の訓練を試みたが、両方とも天候不順で中止になっている。
訓練に同席した三ツ境連合自治会の諸橋政治会長は、「今回初めて訓練を行うことができて良かった。常々頭にあるのは、地震発生時の火災。三ツ境は木造住宅も多く、不安な面もある」と地域特性を挙げて懸念を示した上で、「今後は商店街と自治会が一緒になってやっていこうと考えている」と話し、地域が一体となって災害への備えを進めていく考えだ。
座間洋瀬谷消防署予防課長は、「地域の方と一体となって実施することができた。地震が起きるとあちこちで火災が発生し、消防隊がすぐに駆けつけられないこともある。火事が大きくなる前に初期消火を行ってほしい」と呼びかけた。
瀬谷区では三ツ境に続き2月24日、瀬谷銀座商店街に移動式消火用具が贈られており、同署では来年度以降、訓練を行う見込みだ。
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