瀬谷区版 掲載号:2015年6月25日号
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大阪都否決 大都市制度考える好機に デスク・レポート

政治

 ▼大阪市を5つの特別区に分け、府と市の二重行政解消をうたった「大阪都構想」が、5月17日の住民投票で否決された。2012年成立の大都市地域特別区設置法によると、政令市と隣接自治体の人口が200万人以上の地域で、市町村を廃止し特別区を設置できると定めている。要件を満たすのは横浜や川崎など全国10市。県民の3分の1以上を占め、政令市最多の約371万人を抱える横浜でも、市と県の役割について考え直す好機だ。

 ▼二重行政をなくすという両者の目的は同じだが、横浜市が現在目指している大都市制度は、市を廃止し新たな区に分割する大阪都とは異なり、現行の行政区を生かし市との二層構造を基本に住民自治を強化する「特別自治市」への移行だ。市政に関する仕事と税財源を県から譲り受けて独立するのが狙いで、高齢化による財政負担増や財源不足など、大都市特有の課題が背景にある。県と市が同一の公共施設整備に携わるケースや、病院や保育所、幼稚園などで事務と権限が市と県に分断されるというのが二重行政の実態。横浜型の特別自治市では国の仕事以外は全て市が行い、市域内の地方税を全て市が徴収する想定だ。

 ▼特別自治市の実現をめぐってはハードルも高い。市の大綱によると、県と近隣市町村との水平的で対等な連携を維持、強化すると記されているが、横浜の現状はどうか。先月の会見で特別自治市の推進を表明した林文子市長に対し、黒岩祐治知事は「(横浜から)二重行政との指摘を受ける事例もあるが、話し合いで一つひとつ調整してきている」としており、大きな動きは見られない。相模原市や鎌倉市など県内市町村との協議をはじめ、国が認める「総合区」のような区の権限強化をどう進めるのかについても、議論がまだ十分とは言い難い。

 ▼大切なのは住民への情報開示と熟議ではないだろうか。行政に市民の声が届きにくいのは大都市特有の課題であり、「正しい情報がないと、住民の意向は市の意思決定に反映されない」と市議の一人は指摘する。また、地元選出の県議は「県のあり方や役割を見直す機会にすべき」と議論を促す。主権者である市民に行政はどう向き合うか、考える好機ととらえるべきだ。

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