瀬谷署 民間企業と災害時協定 空撮で状況把握に一役
瀬谷警察署(飯島政則署長)は1月13日、大規模災害発生時の支援に関する協定書を、宮沢に拠点を置くマルチコプタージャパン(株)(大城智広社長)と締結した。同社が現場の状況を空撮するなど協力し、災害時の活動を円滑に進めることが期待される。県警が民間事業所と協定を結ぶのは初。
マルチコプターは回転翼を用いて飛行する機体の種類を指し、小型無人航空機(ドローン)も含まれる。マルチコプタージャパン(株)では、これを使い1年半ほど前から空撮や測量などを行っており、さまざまな依頼に応じ全国各地で撮影を行っている。昨年4月、首相官邸の屋上に墜落した事件で一気に注目を浴びることとなったドローン。同年9月に航空法の一部が改正、12月から飛行ルールが新たに導入されるなど、動きを見せている。事件が契機となって各地域で事業所を把握する動きが起こり、瀬谷区でも確認が行われた。その後、同署から協定について話が持ちかけられたという。締結式では大城社長が持参した3機を披露。地震や風水害など自然災害が発生した際、幹線道路や鉄道網の被害確認、要救助者の捜索など、現場の状況確認を行うことを取り決めた。
多様な場面で活躍期待
大城社長によると、一つのバッテリーで約15分、2Km先まで飛ぶことが可能だという。ヘリコプターでの空撮よりもコストがかからず、操縦も比較的簡単で誰でも扱うことができる点も特徴だ。同社では、操作は3人1組で実施。機体に取り付けられたカメラを動かしシャッターを切るモニターと、機体の動きを操作するモニターの計2つを使用し、安全確認の担当者を加えた3人で普段は撮影に臨んでいる。
持参した3機のうち、大きいもので機体の重量は16kg、最大6kgの物を運ぶことができるため、災害時の支援物資運搬にも役立つと考えられている。さらに、赤外線サーモグラフィのカメラを装着することで人の体温を感知し、山岳部で遭難者の救助につながると期待される。瀬谷区の場合は災害時に現場への迂回路を伝えるなど、情報伝達の面で活用される予定。
「リアルタイムで現場の様子を送ることができるため、時間短縮や人件費削減につながる」と大城社長。飯島署長もこの利点を受け「状況を把握することは大事。それが分かると次に打つ手を考えることもでき、動きがスムーズになる。今後の災害対策にも役立てていきたい」と期待を寄せた。
今後の予定について大城社長は、「警察や消防との訓練や、一般利用者向けの安全講習会を行っていきたい」と話した。
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