昨年7月26日に相模原市の障がい者施設「津久井やまゆり園」で発生した殺傷事件から1年が経過したことに合わせ、追悼の集いが先月26日、二ツ橋町の多機能型拠点こまちで開かれ、家族会関係者や一般市民など約50人が訪れた。
集いを主催したのは、障がい当事者や支援者有志が設立した市民グループ「二ツ橋大学」。区民に学びの場を提供するため、障がい福祉などをテーマに様々な催しを企画している。今回は、地域に追悼の場を設けることで、事件の記憶を風化させることなく、今一度、考えてもらう狙い。「小さな集まりでも、参加者が同じ場に立ち、率直な意見や考えを共有したい」と企画した杉浦幹さんは話す。
この日は、フルートとボーカルユニット・A―irが「追悼の夕べ」と題して演奏を披露した後、家族会の大月和真会長と、社会福祉の専門紙「福祉新聞」の福田敏克さんが講演した。大月会長は、事件前の施設の映像を流しながら当時の暮らしぶりを振り返り、「やまゆり園は、家族にとってやっと辿り着いた地であり、本人にとってかけがえのない家だった」と説明。港南区への仮移転や施設の建て替え問題などに触れ、「関係者は今も不安な毎日を送っている」と話した。
事件後の動きを取材してきたという福田さんは、健常者と障がい者が「分断されにくい社会を目指そう」などと呼びかけた。集いの後半は参加者が車座になり、事件の匿名報道などについて意見を交わした。
杉浦さんは「様々な立場の人が集まってくれました。これからも対話を積み重ねていければ」と手ごたえを感じていた。
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