二ツ橋町在住でディズニーアンバサダーホテル(千葉県)のシェフ・工藤雅克(まさかつ)さん(47)がこのほど、フランス料理界で権威ある国際コンクールで2位に輝いた。「一つの集大成」と位置付けた挑戦で、伝統と革新を融合させた料理が高く評価された。
工藤さんが出場したのは「プロスペール・モンタニェ国際料理コンクール」。今年で68回目という歴史ある大会で、仏国のMOF(国家最優秀職人章)の肩書を持つ料理人が審査員に名を連ねるなど、フランス料理の3大国際コンクールの一つに数えられるという。今回は1月末にパリで開かれ、書類審査を通過した3カ国6人のファイナリストが技術を競った。
工藤さんは2003年に日本で行われた全国的な大会で優勝し、同コンクールへの出場権を得ていた。今は審査員を務める機会が多くなったものの、料理人人生の節目として、また、部下に挑戦することの大切さを伝えるため、15年越しのチャレンジを決意。1年がかりで準備を進めてきた。
「球体」のキッシュ
コンクールの課題は、卵や生クリームを使う仏国の郷土料理「キッシュ・ロレーヌ」と、エイを用いた料理の2種。工藤さんが創作したキッシュ・ロレーヌは、目の肥えた審査員を唸らせるため見た目のインパクトにこだわり、球体の形をしている。上部は昔ながらのキッシュの材料であるベーコンや卵、生クリームで作り、下部はドライフルーツや柚子などを盛り込んで、「古今」を組み合わせた。エイはバターをふんだんに使ってムニエルに。また、表面を香草で彩り、エイの丸い斑点模様を再現した。
コンクールでは料理の提供時間も審査対象となり、キッシュとエイをそれぞれ調理開始から4時間と5時間で完成させる必要がある。さらに、調理の助手は、当日のくじ引きで決まった現地調理学校の生徒。工藤さんは、初対面の相手とコミュニケーションを図りながら調理工程を工夫して、時間通りに仕上げた。
大会について「悔いの残らない、自分の仕事ができました」と振り返るとともに、「1年間準備してきました。2品目の料理を提供した時は、ホッとした気持ちでいっぱいになりました」と笑顔で話した。
料理人として活躍
工藤さんは瀬谷小・瀬谷中の出身。料理の専門学校で学び、ホテルのフランス料理店での勤務を経て、単身渡仏し腕を磨いた。帰国後、東京ディズニーシー・ホテルミラコスタ(運営・経営/(株)ミリアルリゾートホテルズ)で働き、現在はディズニーアンバサダーホテル(同)のレストラン部門の統括料理長を務める。
最近では、若手料理人のためのコンクールの運営・審査のボランティアにも携わっている。今後は「ホテル全体を組織する立場になって、いいチームを作れれば」と抱負を語った。
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