災害時に全国から駆け付けたボランティアの受け入れや派遣を担うため2007年に発足した「瀬谷区災害ボランティアネットワーク」(宗村隆寛代表)がこのほど、10周年記念誌を作成した。これまでの活動を写真や動画で振り返りながら、メンバーの入会動機を盛り込み、原点を回顧する仕上がりになった。
災害に備えた活動網羅
災害ボランティアネットワークは、阪神淡路大震災の際に支援ボランティアがスムーズに活動できなかった教訓から、全国各地で組織されるようになった。大規模災害時にボランティアセンターを立ち上げ、助けが必要な被災者と支援者の橋渡しを行う。瀬谷区では区民有志らによって2007年に結成。区に災害対策本部が設置された際に社会福祉協議会などと協力して、せやまる・ふれあい館にセンターを設立、運営する。現在は正会員21人と、賛助会員やサポーターとして区民や企業が名を連ねている。
同ネットワークでは”いざ”という時に備え、区民や中高生を交えてセンター開設シミュレーションを毎年実施。また、区内の地域防災拠点の訓練に参画し、顔の見える関係作りに努めているという。東日本大震災被災地の支援にも取り組む。
動画で紹介も
記念誌は、副代表の辻川和伸さんが中心となって1年がかりで作成。A4判で、ページ数は当初想定していた量の倍近い38ページになった。
活動の振り返りでは、読み易くするため写真を多用。訓練や被災地支援の様子をまとめた動画を視聴できるQRコードもちりばめた。「長時間の活動を写真数枚で振り返るのは勿体なくて。動画だったら、当時の様子も伝わる」と辻川さんは、その意図を説明する。
「災ボラメンバーの感想」と題した項目では、入会のきっかけを会員が述懐。阪神淡路大震災で被災してボランティアに助けられたことがあり入会したこと、東日本大震災でのボランティア体験が動機になったことなどを紹介している。辻川さんは「長く一緒に活動してきても、知らないことも多かった。改めて仲間たちの想いを知ることができました」と話す。
「基本を大切に」
記念誌の完成を受けて、「大きな災害に備えて、これからも基本的な活動を大切にしていきたいです」と宗村代表。辻川さんは「これからは、他地区の災害ボランティアネットワークをはじめとする様々な団体との横のつながりをより深めていければ」と意気込みを語る。
記念誌は5月21日の総会などで会員や関係者に配布。また、5月下旬には瀬谷区災害ボランティアネットワークのホームページで閲覧できるようにする予定だという。
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