横浜市内の中学生の保護者が、新型コロナウイルス感染症の影響で中止になった部活動の大会や発表会などの代替大会開催を求め、署名活動を実施している。署名の宛先は神奈川県や各市町村、教育委員会を予定し、保護者らは「これまでの努力を発揮し、次の目標へ切り替える場を」と協力を呼びかけている。
署名活動は、鶴見区の生麦中学校3年生の保護者が6月13日に開始した。茅ヶ崎市で5月末に立ち上がった同様の活動を知り、「横浜からも声を」と、神奈川県の部活動を頑張る中学生を応援する会を設立した。デジタルと手書き書面で集めている署名は、26日時点で2564筆に上る。
気持ち行き場なく
運動部では、全国中学校体育大会が4月末、県大会も5月末に中止が決定。文科系の全国中学校総合文化祭も中止が決まっている。「声をあげて泣いていた」。息子が野球部に所属する保護者の一人は、目標が絶たれた日のことを振り返る。
入学後、集大成となる3年時を目指し汗を流した日々。生徒の一人は、「今もランニングなどの自主練習はつづけている」と、力を発揮する場を失った後も次に向かえない心のうちを明かす。保護者は「気持ちの行き場がなく、勉強にも身が入っていない」と口をそろえる。
そんな中で立ち上がった署名活動。親たちの思いを目の当たりにし、子どもたちも一縷の望みを持ち始めている。「本当に有難い。親があきらめていないのに、自分たちがあきらめちゃいけない」と生徒。SNSなどを使い、独自のネットワークで情報を拡散し、一人でも多くの署名を集めようと動いている。
発案者の一人で生麦中学校野球部保護者会の丸山美香さんは「どんな形でも、子どもたちが頑張ってきた証を振り返れる場を作ってあげたい」と力を込める。
署名の期限は設けず、今後はタイミングを見て都度関係各所に提出していくという。
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