跡地利用の検討が進む旧上瀬谷通信施設の畑で12月16日、AIやICT(情報通信技術)を活かした「スマート農業」の活用体験会が開催された。同地区の農家が、作業をサポートする自動追従型の運搬ロボットの機能や操作方法を学び、スマート農業への理解を深めた。
2015年に米軍から返還された旧上瀬谷通信施設。跡地利用では集客・物流施設、公園などの整備に加え、農業振興も推進される計画となっている。今後は区画整理事業により、大規模な開発が行われる見通しだ。農業振興ゾーンでは高収益化や省力化が掲げられ、市農政推進課が農業を営む地権者らと、スマート農業技術を検証してきた。
16日に体験したのは、(株)agbee(アグビー)(東京都)が手掛ける運搬ロボット「agbee」。作業の効率化や人員不足に悩む農家の「相棒」になることを目指して開発された。搭載されたAIによって作業者を自動追従し、100kgまでの荷物を運ぶことができる。収穫した農作物を追従するアグビーに載せて運搬したり、将来的には設定ルートに基づき作業者なしで農薬散布などができるよう、開発が進められているという。
関心高く
体験会では、同社スタッフがアグビーの機能を説明。収穫した野菜を積んで、軽トラックまで運ぶデモンストレーションも行った。マニュアル操作などを体験した参加者からは、搭載できる積み荷の高さや、運搬時に移動可能な傾斜、バッテリーの稼働や充電時間などさまざまな質問が上がるなど、関心の高さを伺わせた。
同地区に畑を持つ小林裕三さん(56)は、「予想していたよりも小さくて驚いた。ただ、荷物を高く積むと安定感が下がると思うので、この点が改良されればもっと使いやすくなるはず」と手ごたえを感じていた。また、「農家のなかには高齢で重いものを持つことが辛いという人もいる。アグビーがあれば、助かる人は多いと思う」と話した。
市では2020年度内に農作業アシストスーツや、温度や日照時間などを調べて収穫に活かすセンシング技術の検証も行う予定だ。
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