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瀬谷区版 公開:2023年12月21日 エリアトップへ

今年の犯罪 佐藤警察署長に聞く詐欺対策に新たな取り組みも 家族や地域との繋がりで防犯を

社会

公開:2023年12月21日

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1年で発生した犯罪や事故、予防法について話す佐藤署長
1年で発生した犯罪や事故、予防法について話す佐藤署長

 タウンニュース瀬谷区編集室では瀬谷警察署と防犯・交通安全特集を企画するにあたり、佐藤良一警察署長にインタビューを実施。特殊詐欺の手口や交通事故の発生状況、犯罪や事故から身を守る術や、同警察署の新しい取り組みについて話を聞いた。

特殊詐欺が今年も多発

 -今年の瀬谷警察署管内で多発した犯罪について教えてください。

 佐藤署長「犯罪として多かったのは特殊詐欺、自転車窃盗です。特殊詐欺は、10月末までで50件発生。前年と比べて17件増えました。被害額も約7400万円にものぼります。手口としてはオレオレ詐欺、還付金詐欺が目立ちますが、偽の電話窓口に連絡をさせ、サポート料と偽ってお金を騙し取るサポート詐欺も増えています」

 -詐欺電話に共通していることは。

 佐藤署長「『今すぐお金を振り込まないと問題が起こりますよ』などと、時間を区切って相手を焦らせる話をしてきます。お金の納期をお知らせする際、当日中に振り込ませることは基本的にありません。唐突にお金に関する話をされたら、詐欺だと疑った方が良いと思います」

 -詐欺電話が来た時に有効な手段は。

 佐藤署長「詐欺犯は自身の声が録音される事を嫌うので、留守番電話や録音機を利用することは有効な手段です。家族や知人など、登録している番号以外は着信できないようにする方法も良いでしょう」

自転車盗と悪質訪問

 -自転車盗について教えてください。

 佐藤署長「自転車盗は10月末までで145件発生。前年同時期と比べて84件と大幅な増加になっています。コロナ禍が明けたことで、人の往来が増えたことも原因として考えられます。盗まれた自転車は、犯人の乗り物として使われてしまうほか、高級な自転車が転売目的で盗まれ、フリマサイトで売られていることも確認しています。しっかりと保管し、ダブルロックなどで対策しましょう」

 -違法な訪問修理、販売については。

 佐藤署長「県内では、訪問した家の屋根や壁を故意に破壊し、修理費を要求する事案が発生しています。『それらしき人が家に来た』という話も寄せられています。怪しい営業が来た際は家や敷地内には入れさせない、ということが肝心です。また、業者は特殊詐欺と同じように被害者を焦らせる手段も使ってきます。一呼吸おいて家族や知人に相談し、問題を1人で抱え込まないことも大切です」

事故数減少も死者増加

 -交通事故の発生状況を教えてください。

 佐藤署長「11月28日までの死者数は、昨年と比べて2人増え、4人になっています。ここ20年で見ても、最も死者が出た年と同じ値です。一方で事故発生件数は278件となり、昨年に比べて70件減っています。発生状況としては追突事故や、交差点での右左折時の事故が多いです。また、高齢者の方が関わる事故は多く、全体のうち80件を占めています。ドライバーの皆さんは、人影を確認したらスピードを緩めるようにしてください。また、夕方や夜間は人が見づらくなるので、ライトを点灯し、気をつけて運転するようにしましょう」

 -道路を渡る際に気をつけることは。

 佐藤署長「横断歩道のない場所を渡ろうとして事故に遭われた人もいるため、車だけではなく歩行者も交通ルールを守る事が必要です。また反射材などを着用し、自身の存在をドライバーにアピールできるようにしましょう。県下では飲酒された方が道路で寝てしまい、車にひかれてしまう事もあるようです。年の瀬も迫り、飲酒の機会も増えると思いますので、飲みすぎには十分気をつけてください」

新しい年に向けて

 -2024年の目標を教えてください。

 佐藤署長「警察としては、来年も区内の犯罪に目を光らせ、交通事故の発生状況を改善していきます。また、警察署では新たな取り組みとして、特殊詐欺を防いだ人や、騙されなかった人などへSSC(瀬谷詐欺予防コンサルタント)認定証の配布を7月から開始しました。詐欺を防いだことを表彰すると同時に、自身の体験した詐欺阻止の話を多くの人に広めてくれるようお願いしています。生活安全課では、特殊詐欺に騙されないための出張講習会を実施していますので、町内会やイベントを開く際にお呼び下さればと思います」

 -最後に区民に伝えたいことは。

 佐藤署長「犯罪から身を守るために大切なことは、家族間や地域とのつながりを強めることです。町内会など見守り活動を実施することでコミュニケーションや連帯感も生まれ、防犯力も高まります。特殊詐欺の電話や詐欺業者の訪問があった際も、自分だけで考えないで、家族や近所の人に『こんな電話が来たんだけど、どうすれば良いんだろう』と相談する関係を作っておけば、お金など大切なものが盗まれる可能性も低くなります。警察署としても、地域の皆さんの力もお借りしながら尽力して参ります」

 -本日はありがとうございました。

瀬谷警察署が配布している「瀬谷詐欺予防コンサルタント認定証」
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